あきりんの映画生活

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「大統領の陰謀」 (1976年)

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1976年 アメリカ 138分
監督:アラン・J・バクラ
出演:ダスティ・ホフマン、 ロバート・レッドフォード、 ジェイソン・ロバーズ

社会派ドラマ。 ★★★

「金環蝕」で日本の暗部を見たので、今度はアメリカのウォーターゲート事件をあつかった作品を。
ニクソン大統領を辞任に追い込んだ二人の新聞記者の、実話にもとづいた活躍を描いている。

1972年に起きたウォーターゲート事件というのは、民主党本部に5人の男たちが侵入した事に端を発する。彼らは民主党の大統領選挙運動を攪乱しようとしたのだが、不法侵入の現行犯で逮捕されてしまったのである。
事件は偏執狂者による単純な犯行と考えられたのだが、ワシントン・ポスト紙の二人の記者が調査を進めるうちに、その裏に隠れていた事実が明らかになってきたのである。

駆け出しの記者をロバート・レッドフォードが、そして彼と協力し合うベテラン記者をダスティン・ホフマンが演じていて、この二人が地道な作業をおこない、推理をし、次の的へと調査を進める。
あらゆる関係者に電話を次々とかけて、情報を収集していく。
そして、断片的な情報をつなぎ合わせて真相にせまっていく。
(しかし、今だったら個人情報保護の問題もあって、こんなに簡単に電話取材に応える人は少ないだろうな。)

派手なアクションなどはひとつもないのだが、情報と推理が次々に展開され、飽きることもなく見せてくれる。
やがてこの侵入事件は、ニクソン大統領の選挙本部(共和党)の指示であり、資金援助もされていたことが明らかになってくる。
もちろん、ここまでくると新聞社への政治的な圧力もかかってくる。
その情勢の中で二人の記者を信頼してバックアップする編集長をジェイソン・ロバーズが演じていて、とても渋くて格好良い。
上司たる者かくあるべし、という理想像である。

残念だったのは、いよいよ黒幕を糾弾というあたりからは新聞報道でその後の経過を見せるだけ、という作りになっていたこと。
実在人物を本名のままで扱っているために(このあたりが「金環蝕」とは異なっている)、画像であらわすのが困難だったのだろう。

ウォーターゲート侵入事件が1972年、ニクソン大統領の辞任が1974年。
その間、2年かかっているわけだ。
これを長いというか、あっという間というか。

見応えのある社会派ドラマです。

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