あきりんの映画生活

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「サロゲート」 (2009年)

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2009年 アメリカ 89分
監督:ジョナサン・モストウ
出演:ブルース・ウイリス、 ラダ・ミッチェル

身代わりロボットが街を歩く近未来もの。 ★★★

サロゲートとは身代わりロボットのこと。
マトリックス」の世界が精神の中に作られた仮想世界なら、「サロゲート」は現実世界の中を仮想人物が動きまわる。
設定としては「アバター」に似ている。
違うのは、全世界のほとんどの人が、自分はチェアに横になっていて、サロゲートが実際の行動をしているところ。

サロゲートはどことなく皮膚がのっぺりとした感じで描かれていて、生身の人間ではないことが判るようにしている。
ちょうどコンピューター・ゲームに出てくる人物の感じで、これまでの映画で言うと、「ベオウルフ/呪われた勇者」や「ゴッド・ディーヴァ」で見た感じに近い。

サロゲートは遠隔操作で動かしているわけだから、サロゲートが傷ついたり死んだりしても、その本人の肉体にはなんの影響も出ない。
だから戦闘用のサロゲートが作られ、戦争ももっぱら身代わりロボットが行っている。
人々はなんの危険もなく山登りも味わえるし、運動が苦手なjひとでもそれ用の能力を付加したサロゲートを使えばサーフィンの名人にもなれる。
これを楽しい世界と思うか、虚飾だらけの世界とみるか。

誰だって若い美男美女に作ったサロゲートを操作するわなあ。
だから、街ですごい悩殺美女に出会ってナンパしても、それを操作している本人はメタボの脂ぎったオカマおじさんかもしれないのだ。
メタボおじさんにとっては夢の世界だが、騙された方はなんとも言いようがない(笑)。
ちなみに、ブルース・ウィリスも、サロゲートの方は髪の毛がふさふさしている。妙な違和感があって、これには笑ってしまった。

そんなサロゲートの社会で、サロゲートが破壊されると同時にその操作していた本人も死ぬという事件が起きるわけだ。
そんなことが、どうして起きるのだ?
さあ、運の悪い刑事ジョン・マクレーンが捜査に乗り出すぞ。あ、違った、今回はFBIのトム捜査官(ブルース・ウィリス)だった。

1時間半という短めの作品なので、退屈する暇もなく、物語はさくさくと進む。
ただし、あっというような展開はほとんどない。
こういう世界を設定すれば、必然的にこういう対立が起こってきて、主人公がこういう風に考えるようになって、最後はこんな方へ行くかな・・・、と、まあ、おおよそは想像の範囲内でおさまってしまっている。

のっぺらぼうの感じのサロゲートと、深いしわが刻み込まれたブルース・ウイリス本人。
その対比をくっきりとみせていたところは、主題につながっていて成功していたと思う。
やっぱり深いしわと、毛穴ボリボリ感が人間の顔には必要なんだよなあ。

観て損した、というような作品ではありません。面白いです。
でも、DVDで十分だったな、という感想で、そのレベルはおわかりいただけると思います。