2003年 韓国 120分
監督:パク・チャヌク
出演:チェ・ミンスク、 ユ・ジテ、 カン・ヘジョン
壮絶な復讐劇。 ★★★★
クエンティン・タランティーノが絶賛をして、カンヌ映画祭の審査員特別グランプリを取っている。
韓国映画だが、原作は日本の漫画。
原作も以前に読んでいたが、非常に面白いものだった。
平凡なサラリーマンのオ・デスはある日突然何者かによって監禁されてしまう。そして、理由も不明のまま、15年間の監禁の後に突然解放される。自分を監禁したのは誰なのか、自分は何故監禁されたのか。オ・デスは復讐を誓う。
観客もオ・デスと同じ目線で物語をたどるため、彼と同じように監禁の理由が知りたくなる。
オ・デスは開放され早々にミドという少女と出会い、彼女は彼の協力者となってくれる。
二人は差し入れられていた餃子の味からその店を割り出したりしていくのだが、意外にも、犯人の方から接触もしてきたのだ。これは、どういうことだ?
この物語がすごいのは、15年間の監禁の理由が問題なのではなくて、何故15年後に解放したのかという、不可解な犯人の行動に必然性があったというところである。
犯人の目的は、15年間の監禁ではなくて、15年後に解放すること、だったのだ。
これはすごい。
後半の設定、復讐(!)の鍵になる部分は、原作と映画では全く異なっている。原作は情緒的なのだが、映画は直接的。
たしかに映画の方が、動機や監禁の理由など、映像であらわしたときに納得はしやすい。
しかし、なあ・・・。
R15ぐらいの指定が付いたであろう暴力的な場面もあるし、残虐な場面もある。
それらがすごいテンションを保ったままでぐいぐいと押してくる復讐劇。
迫力もあり、いかにもタランティーノが好きそうな感じである。
しかし、なあ、後味はとても悪い。
とりあえずの物語は終わったのだが、本当の救いはどこにもない。
すごい映画ですよ、とは言えるのだが、良い映画だからぜひ、と勧めることができるかは、疑問。