あきりんの映画生活

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「天使と悪魔」 (2009年)

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2009年 アメリカ 138分
監督:ロン・ハワード
出演:トム・ハンクス、 ユアン・マクレガー、 アイェレット・ゾラー

「ダ・ヴィンチ・コード」の続編。 ★★★

ヴァチカンを舞台に、崩御した法王の後継者を決めるコンクラーベが物語の題材になっている。4人の有力な後継者候補がイルミナティという組織に誘拐され、しかもどこかに爆弾を仕掛けたという脅迫状も届く。

前作の「ダ・ヴィンチ・コード」は、キリスト教そのものにまつわる謎解きがあって、最後まで知的な興味をつないでいた。
それに比べると、今回はそのような歴史上の謎解きといった部分はほとんどなくなっている。
代わりに、ぐっとサスペンス要素が増えていて、ある意味では観やすい娯楽作品となっている。

スイスの研究所から盗まれた反物質の爆弾というのがすごい代物で、バッテリーが切れるまでに探し出さないと爆発してしまうという時間制限付き。
しかも、1時間ごとに誘拐された司教が故事にちなんだ方法で殺害されると予告されている。
だから今回は忙しい。
普通の髪型に戻ったラングドン教授(トム・ハンクス)(笑)は、ヴァチカンの市内中を走りまわるぞ。

天使と悪魔というタイトルに象徴されるように、今回はガリレオ以来つづいてきた宗教と科学の因縁の対立が根にある。
イルミナティという謎の組織も、カトリック教会に中世以降の恨みを抱いていて、その仲間はどこに入り込んでいるかわからないという。
う~ん、そんな組織があるなんて知らなかったなあ(笑)。

それに、この映画で初めて知ったコンクラーベという次期法王選出会議も興味深い。
決定されるまでは誰も会議室から出ることができず、煙突からの煙りの色で信者たちは次期法王が決まったことを知るという。面白いなあ。

特定の教会の天使像が示す方角をたどって、つぎの司教殺害場所を探り当てる、さらには爆発場所をさがす、という展開には、ちょっと強引な部分もあった。
いくらラングドン教授が優秀だからといって、話が上手く運びすぎるぞ。
しかし、緊迫した雰囲気をつなげてくれたから、こまかいことは言わずに合格。

かなりアクション的な場面もある。
教授が溺死させられそうになる司教を助けようとする場面などは、いわゆる手に汗握る展開だった。

ユアン・マクレガーもかなり重要な役どころなのだが、人物像はわりとあっさりと描かれていた。
最後ね、これで終わるのかなと思っていたら未だ続くので、ああ、じゃ、やっぱりそうなんだと思っていたら、その通りだった。

重厚な知的謎解きの作品という路線ではなく、軽快なアクションがらみのサスペンスという路線で、今回はせまる。
わかりやすい作りで、成功しているのではないだろうか。