2007年 カナダ 95分
監督:マイク・パーカー
出演:ビアーズ・ブロスナン、 ジェラルド・バトラー、 マリア・ベロ
サスペンス。 ★★
幸せな夫婦、二ール(ジェラルド・バトラー)とアビー(マリア・ベロ)は、突然車の中で見知らぬ男(ビアーズ・ブロスナン)から銃を突きつけられ、娘を人質に取った、言うとおりにしろ、と脅される。
と、冒頭から善良な普通の夫婦が、極限状態におちいる。
男はつぎつぎになにのためにしているのか判らないような無理難題を要求してくる。
たとえば、貯金を全部おろさせたかとおもうと、そのお金を燃やしてしまう。あれ、お金目当てじゃないんだ。
アビーに赤いドレスを購入させて、それを着ろと命じたり。でも性的な目的でもないんだよなあ。
男の真の目的がなにであるのか、いっこうにつかめない。
観ている方も謎に包まれて、いったいこの男の目的はなんだ? 何のためにこの善良な夫婦はこんな目にあっているんだ? と、引きこまれる。
しかし、物語はほとんどが3人だけで進行して、やや単調な感じであることは否めない。
そして脅迫男ブロスナンが、非情な悪人には見えないんだよなあ。なにせ007だものね。
だから、サスペンスには不可欠な、理屈を越えた恐怖感に乏しい。これは決定的な致命点だった。
さあ、オチはどうなる?
はい、最後にあっと言うような真相が明かされる。まったく騙された。
たしかに騙されたのだが、後味はあまりすっきりしない。あ、そう、という感じ。
95分という短さが飽きさせない限界の映画。残念ながら、傑作とは言い難い。
出演者が豪華であるのに我が国未公開、と言うことが私には容易に納得できてしまいました。
(ネタバレ)
だいたいが、「007」と「300」の勇壮な主人公二人が、こんな家庭的な(?)ことでちまちまと争うなんて!(笑)
女は怖い、ということか。敵のスパイよりも、何万人の敵軍勢よりも(笑)