あきりんの映画生活

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「ドット・ジ・アイ」 (2003年)

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2003年 イギリス 92分
監督:マシュー・バークヒル
出演:ナタリア・ベルベケ、 ガエル・ガルシア・ベルナル

愛のもつれのサスペンス。 ★★★

婚約をしたばかりのカルメン(ナタリア・ベルベケ)は、パーティで知り合ったキット(ガエル・ガルシア・ベルナル)に急速に惹かれていく。
しかし、裕福な婚約者は、どこまでもカルメンにやさしく、結婚を急ごうとしている。
さあ、この三角関係はどうなっていく?というのが、表向きのストーリー。

カルメンはスペインからの移民で、情熱的。いくつもの恋で傷ついたりもしてきている。
婚約者を大事にしたいと思いながらも、キットへの思いを断ち切れずに苛立つカルメン
彼女は酒場でフラメンコを踊ったりもするのだが、魅力的な場面だった。

そんなカルメンを、いつも誰かが盗み見しているようなのだ。
この画面にはいったいどんな意味があるのだ?

ハリウッド映画とは異なるどこか洗練されていない泥臭さが、映画全体に漂う。
画面も音楽も荒けずりと言ってもいいかもしれない。
それがもたついているような感じを与えて、かえって物語の淀んだような雰囲気には合っていた。
観ている人の気持ちをわざと逆なでするような、棘のような肌触りが、好みの分かれるところかもしれない。

メキシコ出身のガエル・ガルシア・ベルナルは、アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリト監督の「アモーレス・ペロス」や、ペドロ・アルモドバル監督の「バッド・エヂュケイション」に出ていた。甘いマスクでひいき筋である。
ヒロインを演じたナタリア・ベルベケという人はアルゼンチン出身とのことだが、こちらもなかなかに魅力的。
顔の角度によっては、若い頃のアンジーに似ていなくもない(正面はまったく違うけれど)。よって、合格(笑)。

(以下、若干のネタバレ、になるかな?)

物語の終わり近く、ああ、そういうことだったんだ、と気づかされる(伏線もあったし、ひょっとすれば、という気持ちはあった)。
すべて納得。う~ん、やっぱりそうだよな。

しかし、物語はそこで終わらない。
えっ、何ヶ月後かにはそんな人間関係になってしまうの?と、若干の違和感をおぼえながらも奇妙な展開におどろく。
そして、いよいよ最後になって、あれあれ、どんどん展開していくなあ。

ラストは呆気にとられてしまった。すごいところまで引っ張っていったねえ。

映画全体の手触りはざらついていますが、最後まで、あれよあれよと見せられてしまう作品でした。
主役の二人はとても魅力的でした。
サンダンス映画祭で”パーフェクトなスリラー”という評判をとったとか。