監督：フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク
出演：アンジェリーナ・ジョリー、 ジョニー・ディップ、 ポール・ベタニー、 ティモシー・ダルトン
謎の美女のサスペンス。 ★★★☆
アンジェリーナ・ジョリーとジョニー・ディップという、夢のような顔合わせ。
監督は、あの「善き人のためのソナタ」を撮った人。しかし、あまりの作風の違いに驚いてしまう。
アメリカからの旅行者フランク（ジョニー・ディップ）は、列車の中で美女エリーズ（アンジェリーナ・ジョリー）と遭遇する。
しかも、向かいに座ったその美女に、食事に誘って下さらないの？とでも言われた日には、そりゃあ、もう、喜んで！となるわな。
このシチュエーションで、アンジーのような美女の誘いを断る男が、世の中にいるか？
で、その結果、一介の高校教師だったフランクは思いもしなかったトラブルに巻き込まれていく。
エリーズが愛しているのは、マフィアから大金を奪って、高額の脱税もしている謎の男。
彼は警察には追われているわ、マフィアにも追われているわ、見つかってしまったら命がない。
そんな愛する彼を助けるためにエリーズは危険を冒している。警察はエリーズをマークしている。
エリーズが愛する彼を助けるために利用しただけの行きずりの人物がフランク。
要するにフランクはただの”ツーリスト”。
それなのに、フランクにも次第に心惹かれていくエリーズ。フランクは、もう、言うまでもなくエリーズの虜となっているぞ。
おいおい、エリ－ズよ、いったいどうするんだ？
美しいヴェニスの街を舞台に、巻き込まれ男の逃走劇はあるわ、運河でのモーター・ボートの追跡劇はあるわ、で、軽快にストーリーがすすむ。
もちろんアンジーは豪華なドレス姿も披露してくれる。なんて妖艶なんだ！
アンジーの美しさを堪能できて、それについては大満足なのだが、この作品の不満は、一に二にも彼女のアクションがほとんどなかったこと。
「トゥムレイダー」や「ウォンテッド」「ソルト」はもちろんのこと、「Mr.＆Mrs.スミス」でもみせてくれたのに・・・。
謎の美女なのだが、格闘技に優れているとか、射撃の達人であるとか、そういった設定にはなっていなかった。
残念！
最後の、愛する謎の男に関する謎解きは、勘のいい人なら終盤にさしかかるあたりで察しがついてしまう。
そう思って物語を振り返ると、出だしからそんなに上手くいくかいな？とも思ってしまうのだが、そこはそれ、愛のなせる技なのだね（笑）。
めでたし、めでたし。
似たような感じの「キス＆キル」よりはずっーと上出来。
未見の「デイ＆ナイト」も似たような設定のよう。評判がよかったようだが、比べたらどうなのだろう？
（もちろんアンジーの映画なので、評価には★一つ分のおまけがついています）
