あきりんの映画生活

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「ヴェロニカ・ゲリン」 (2003年)

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2003年 アメリカ 98分
監督:ジョエル・シューマカー
出演:ケイト・ブランシェット

新聞記者の社会派ドラマ。 ★★☆

ヴェロニカ・ゲリンアイルランドの麻薬組織の告発をおこなった女性記者。
実在の人物だったとのこと。
映画はいきなりゲリンが襲撃される場面からはじまる。そして物語は2年前にさかのぼっていく。
この作り方は、そうだ、「アラビアのロレンス」と一緒だな。

私は30年ほど前にアイルランドの首都ダブリンに5日間ほど滞在したことがある。
どんよりとした曇り空が低く垂れ込める北国の街、というイメージが残っている。
そのアイルランドに、こんなに酷い麻薬の蔓延が起こっていたとは知らなかった。
敬虔な宗教の国だと思っていたのだが・・・。

子供までを汚染している麻薬禍を目にしたゲリンは、純粋な正義感から麻薬撲滅のためのキャンペーン記事を書きはじめる。
単身でかなりヤバイ地域にも取材のために踏み込んでいく。
すごい勇気である。

取材がすすむにつれて、あからさまな脅迫がなされるようになってくる。
銃で足を打たれたり、取材をしようとした麻薬関係者にいきなり殴られたりする。
恐怖である。
ケイト・ブランシェットが、使命感に燃えながらも、決して特別な女性ではなく恐怖にも怯える等身大の一人の女性としてのゲリンを好演していた。

監督のジョエル・シューマカーはあの低予算傑作映画「フォーン・ブース」を撮った人。
しかし、この作品は派手な娯楽性を排して一人の勇気ある女性の生き様を伝えてくる。
ケルト音楽を思わせる音楽が好かった。