あきりんの映画生活

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「大脱走」 (1963年)

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1963年 アメリ
監督:ジョン・スタージェス
出演:スティーブ・マックィーン、 リチャード・アッテンボロー、 ジェームス・ガーナー
    ジェームス・コバーン、 チャールズ・ブロンソン

ドイツ軍捕虜収容所からの脱走。 ★★★★

第二次大戦中のドイツ軍捕虜収容所が舞台。
捕虜になった者は常に脱走を企てて、可能なかぎり敵の勢力をその防止や脱走者の捜査探索に費やさせるようにするのが義務である、とのこと。
へえ~、なるほど。脱走にはそういう意味があったんだ。

ということで、脱走の常習者というのがいるわけだ。
ドイツ軍も大変なので、そういった脱走常習者を集めた収容所を作る。当然のことながら、監視体制は半端ではない。
いえ~いっ! それでも、脱走やるぞっ!

さすがに豪華俳優陣での脱走ものの名作。3時間近い長丁場を全く退屈させない。
脱獄ものというと、同じマックィーンの「パピヨン」とか、イーストウッドが渋い「アルカトラズからの脱走」とか、少し変わったところでは「ショーシャンクの空」などが思い浮かぶ。
この映画での脱走が特異なのは、みんなが協力しての集団脱走だということ。

脱走方法は史実に基づいたとのこと。
互いに協力して道具を入手して、見張り役や見回りをごまかすおとり役を決めて、脱走のためのトンネルを掘る。
その長さたるや、半端ではない。
トンネルを掘った土をどうやってばれないように処分するか、など、知恵もしぼる。なるほどねえ。

出演者は豪華そのもの。
そして、これだけの多彩な登場人物の人間味をちゃんと描き分けている。ジョン・スタージェス監督、さすがに大したもの。
後のトレードマークの口髭もないチャールズ・ブロンソンは、見かけによらない繊細な閉所恐怖症の様をよく演じていた。

(以下、ネタバレ気味)

紆余曲折を経て、74人が脱走に成功するのだが、その後も逃げ延びるのは難しい。
脱走者を探索するドイツ側も必死だし。
脱走してからの逃走手段として誰でもが列車を考える。ドイツ軍もまず駅や車内を押さえるよなあ。
だから、列車で逃げようというのはちょっと浅慮だったねえ。

脱走の指揮を執ったアッテンボローも、結局は掴まってしまう。
そして、こんなことが!という苦い展開になる。

マックィーンはバイクにまたがって草原を逃げまわり、おなじみの柵越えもするのだが、あえなく御用となる。
結局、脱走したあとで逃げおおせたのはジェームス・コバーン(道端の自転車にひょいと乗りのんびりと逃げる)と、ブロンソンら2人(手こぎボートで港まで逃げ、船にもぐり込む)、だけだったのかな。

戦時下が舞台の映画だが、戦闘場面などはいっさい無く、反戦を声だかにいっている映画ではない。
堅苦しい思想的なことは抜きにした娯楽大作ととらえればよいだろう。
充分に面白さを堪能できます。