2011年 アメリカ 111分
監督:ターセム・シン
出演:ヘンリー・カヴィル、 フリーダ・ビント、 ミッキー・ローク
ファンタジー・アクション。 ★★
ターセム監督の幻想的な映像画面 を見たくて映画館へ。
ただ、「300」の制作陣というのが一抹の不安だった。
なにしろあの映画は、血は飛び散るわ、人間の身体は真っ二つになるわ、という戦闘場面の連続だったからなあ。
あれはちょっと苦手なんだよね。
3D鑑賞としたが、ビジュアル的には期待通りに素晴らしいものがあった。
絶壁のうえの広場の村、巨大石像が支える神殿、などなど。
そして巫女たちの奇抜な、それでいてとても魅力的な造型の衣装(デザインは石岡瑛子)にも惹かれた。
しかし、やはり戦いの場面は並大抵ではなかった。思わず目を背けたくなるほどのすさまじさ。
身体が真っ二つに切られる、なんてのは序の口、大ハンマーで頭がグシャグシャにつぶされたりもする。
かなわんなあ。
肝心の物語だが、これはどうも首をかしげてしまうようなものだった。
古代ギリシャの時代。邪悪な王ハイペリオン(ミッキー・ローク)は強大な軍隊を率いてギリシャへの侵攻を開始する。伝説の“エピロスの弓”を探し求め、地底に封印されている闇の神を解き放とうと企んでいるのだ。
そのためには、邪魔な奴は皆殺しだ。ええいっ、ばさっ、ぐさっ!
「タイタンの戦い」のときも感じたのだが、ギリシャ神話の神さまというのは、とても人間くさい。
それでいてとてつもない能力を持っている。おまけに、結構自分勝手。
そのあたりは好いとして、全能の神ゼウスの考え方がわからんぞ。
人間の争いには干渉しない、なんて言って、何にもしない。
そんなことをしていたら闇の神が解き放たれてしまうのは分かっていたでしょうが・・・、あんた、神様なんだから。
味方の神様がどんどんやられてしまってから、慌てて鎖を引っぱたって、遅い!ちゅうの。
ということで、ターセム監督らしいビジュアルは好かったのだけれども、物語の展開や、血しぶきドバッの戦闘場面は、もうひとつでした。