あきりんの映画生活

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「ゴールデン・スランバー」 (2009年)

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2009年 日本 139分
監督:中村義洋
出演:堺雅人、 竹内結子、 吉岡秀隆、 劇団ひとり 

伊坂ワールドのサスペンス。 ★★★

この映画も原作が伊坂幸太郎なので、部隊は仙台。
例によって、主人公の青柳(堺雅人)はあっという間に現実離れした現実(?)へ突き落とされる。
なんと、遊説中の首相暗殺未遂犯に仕立て上げられてしまうのだ。

しかも自分を犯人に仕立て上げようとした奴らは、証拠隠滅のために自分を殺そうとしているらしいのだ。
こりゃ、逃げるしかない。

TVで事件を知った大学時代のかっての恋人の樋口(竹内結子)は、なんとか青柳の逃亡を助けようとする。
かってのクラブ活動仲間や事仲間も彼の逃亡を助けてくれる。
しかし、警察も非情に追跡してくる。どうする?

基本的に追跡劇なので、物語の展開には小気味よいテンポがある。
目を話す暇もなく最後まで観ることができた。

伊坂幸太郎らしい非現実的な設定は至るところにある。
あのおんぼろ車はバッテリーを積み替えただけでは動かないでしょ、いくらなんでも。
それに、あの錆びた車で逃げるのは目立ちすぎでしょ(苦笑)。

なぜか青柳を助けてくれる妙な通り魔殺人者も出てくる。こいつ、何者?
他の作品だったら何らかの説明を入れるところだろうが、そんなことには無頓着。
状況を先鋭化するためだったら、少しぐらい現実から遊離していたってかまわない。そこが伊坂ワールド。

小道具や思いで話が、少しあざといぐらいに結びついていく。
やり過ぎでは?とも思ったりするが、まんまと乗せられたりもする。
主人公たちが学生時代にアルバイトをしていた打ち上げ花火も、何回となく小道具として効いてくる。なかなか好いねえ。

堺雅人は、少し頼りなげなお人好しっぽいところが持ち味だが、何物かの陰謀に翻弄される感じが好く出ていた。
あの「冷たい熱帯魚」で熱演だったでんでんが、気のよさそうな巡査役で出演。
冷たい熱帯魚」での役柄とのあまりの違いに呆気にとられる。俳優ってすごいものだ。

(ネタバレ)

伊坂作品の例にもれず、物語の背景などは説明されないままに終わっていく。
誰が仕組んだ企みだったのか(ま、世間一般的に”幹事長”というのが悪者扱いですが)、はたして青柳のこれからの人生はどうなってしまうのか・・・などなど。

青柳は整形して逃亡生活をしているわけだが、整形手術についてはアイドルの協力があったのだろうし、最後に樋口の娘がハナマルのスタンプをくれるところが効いていた。
小道具技を最後まで使い切っていたなあ。