あきりんの映画生活

映画鑑賞だけのブログです。★★★★が満点評価ですが、ときに思い入れ加算があります。約2000本の映画について載せていますので、お目当ての作品を検索で探してください。監督名、主演俳優名でも検索できます。

「マイレージ、マイライフ」 (2009年)

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2009年 アメリ
監督:ジェイソン・ライトマン
出演:ジョージ・クルーニー、 ベラ・ファーミガ、 アナ・ケンドリック

生き方を考える人生ドラマ。 ★★☆

ライアン(ジョージ・クルーニー)の仕事は、企業のリストラ対象者に解雇を通告すること。飛行機でアメリカ中を飛び回っている。う~ん、俺はクールだぜい。
小型のスーツケースに入らないものは旅行には不要なものとしていて、人生でも人との関係など余分なものは一切持たないのが信念。ただマイレージを貯めることだけが目標だぜい。

ジョージ・クルーニーはあいかわらず格好いい。
仕事のプロ、人生のプロ、そんなイメージで決めてくれる。
もちろん独身。家庭をはじめとする生活のしがらみにがんじがらめになっている世の男性は、あんなクールな生活に憧れるよなあ。

でも、そんなすべてを割り切った生き方は寂しくないかい?というのが、どうやらこの映画のテーマのようなのだ。

ライアンの前に二人の女性が現れる。一人は割り切った恋のお相手(ヴェラ・ファミーガ)、もうひとりは現代っ子の後輩(アナ・ケンドリック)。
煩わしい人間関係なんて俺には必要ないぜ、俺はクールだぜ、と言っていたライアンだが、恋の相手には惹きつけられるし、仕事上のライバルになりかねない後輩にも親身になって指導していく。
なんだ、俺って結構、浪花節的だったんだ(笑)。

それほどの山場があるわけでもなく、ストーリーは淡々とすすむ。
ライアンは目標としていたマイレージを貯めて、夢に見ていた機長との会話もおこなうのだが、やっぱりそんなことは空しいことなんだよね。

なんだかライアンも情けない。
恋の相手に人とのつながりを求めたとたんに、冷たく拒絶されてしまう。
これまではライアンも拒絶してきたのだから、そんな自分に都合のいいことばかりあるはずはないのだが、それでも観ているこちらも情けない気分になってしまった。

恋の相手も去り、元気いっぱいだった部下も去り、ライアンはまた独りになる。
映画の最後、彼はなにか変われたのだろうか。

原題を直訳すると「宙に浮いて」。
実際に空を飛んでもいるのだけれども、彼の人生が足場のないところで漂っているだけであることを、上手くあらわしている。
空しいような感じだけが残る映画でした。