あきりんの映画生活

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「恋に落ちる確率」 (2003年)

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2003年 デンマーク
監督:クリストファー・ボー
出演:ニコライ・リーコス、 マリア・ボネヴィー

不条理な恋愛もの。 ★★☆

デンマークの映画なんて、おそらく初めて観たのではないだろうか。
「運命の女性に恋した瞬間、これまでの日常が文字通り一変してしまった男が辿る不思議な恋の行方」(allcinema)という惹き文句に釣られて観ることに。

恋人シモーネ(マリア・ボネビー)がいるカメラマンのアレックス(ニコライ・リーコス)だが、人妻アイメ(マリア・ボネビーの二役)に一目惚れしてしまう。
アメイの夫は小説家なのだが執筆に没頭してしまい、取り残された彼女は独りで街をさまよっていたのだ。
2人はたちまち恋に落ちて一夜を共にする。

と、あらすじを書いてみると、なんて陳腐なストーリーだと思ってしまう。
しかし、このあたりから少し様相が変わってくる。
恋の一夜の翌朝、アレックスがアパートに戻ってみると自分の部屋がなくなっていたのだ。あれ?
そのうえ、訪ねた友人はおろか、恋人だったシモーネまでもがアレックスのことを知らないと言うのだ。あれ?

粗い粒子の画像が奇妙な美しさをだしている。
恋に落ちるアメイと恋人のシモーネを同じマリア・ボネヴィーが演じている。
ということは、アレックスは同じ女性に恋をしたのかもしれない。だからアメイが出現したとたんにシモーネは無関係な人物になってしまったのかもしれない。
二人は別の次元にいる同じ恋人で、同時には存在できないのかもしれない。
という風にも思ってみるのだが、これはあまり好い解釈ではなさそうだな。

映画自身は、なにか中途半端な感じが否めない。
もっと不条理な、たとえば不思議の国のアリス的なものを期待していたのだが、そこまでのものではなかった。割とまともなのである。
それなのに、先に書いた現象の説明も展開もない。どうも中途半端。

アメイの夫は作家なのだが、実は妻をモデルにした小説を書いている。
映画の冒頭と最後には夫のモノローグでアレックスの行動が語られる。ということは、これは夫の書いた小説の中での出来事なのか。
それにしても、ちょっとおかしいよなあ。

つまらないわけではないのだけれども、物足りないままに観終えました。
カンヌ国際映画祭でカメラ・ドール(新人監督賞に当たるらしい)を受賞しています。