2005年 アメリカ 113分
監督:ジョン・ファブロー
SFファンタジー。 ★★★
宇宙を探検するゲームを捜査すると、その通りになってしまう世界に迷い込んだ兄弟、という設定。
「ジュマンジ」という前作があるようなのだが、関連性はなさそうで、この作品だけの鑑賞だけでも困ることはなかった。
兄弟ゲンカばかりしているウォルターとダニーだが、ある日、地下室で“ザスーラ”と書かれた古いボードゲームを見つける。
ゲームの駒を動かすねじを巻いたとたんに、二人 (と、なにも知らずに昼寝をしていた姉リサも) は家もろとも宇宙空間を漂うことになる。
家の外を見ると、あっという間に星空のなかに浮かんでいるところがとてもよく出来ている。
それまでゴチャゴチャと庭や家のなかで騒いでいた日常風景があっただけに(この導入部は少しもたついていたが)、この落差がよく効いていた。
ゲームをすすめると (駒を進めると予言カードのようなものがあらわれて、その通りになるのだ) 、ロボットが制御不能になって暴れまくったり、小隕石群のただ中に突っこんで家中がボコボコになってしまったり、襲ってくるエイリアンの宇宙船があらわれたりする。
何しろゲームだから、なんでもありなのだ。
ふてくされた姉リサの存在も、スパイス的によく効いている。
可愛いのだが、いわばボケ役(笑)。
家ごとたいへんな事態になっているのにまったく気づかずに、シャワーを浴びようとして凍り付いてしまったりする。ここも面白い。
途中から、二人を助けてくれる”彷徨う宇宙士”があらわれる。
実はこの宇宙士もかってはこのゲームのプレーヤーだったのだが、あることから永遠にゲームの世界を彷徨うことになったのだ。
そして、物語の終盤になって、ちょっとした感動場面となっていく。
なかなか脈本もよく出来ている。
もちろんファンタジーだから、何事もなかったかのように二人(と、姉のリサも)は家と一緒に戻ってくる。
大冒険を経験してすっかり仲良くなった二人が気持ちのよい後味を残してくれる。
宇宙を飛び続ける家の周りをずっと庭にあった自転車もついて飛んでいたのだが、家が元へ戻ったときに、その自転車が空から降ってきたのも愉快だった。
家族で楽しめる作品です。悪くありません。
余談:
家の居間には、なぜかスティーブ・マックィーンの「ブリット」のポスターが貼ってありました。