あきりんの映画生活

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「アレクサンドリア」 (2009年)

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2009年 スペイン
監督:アレハンドロ・アメナーバル
出演:レイチェル・ワイズ、 マックス・ミンゲラ

ローマ時代の女性天文学者の生涯。 ★★★

世界史は大学受験のときに勉強したきり。
あの頃は得意科目のひとつだったはずなのに、今や、なにも覚えていないぞ(笑)。
ローマ帝国時代のエジプト? クレオパトラの時代はいつだったけ? それにアレキサドリアの都市を造ったアレキサンダー大王の遠征はいつの話だっけ?

ローマ帝国の後期、エジプトの中心都市アレクサンドリアが舞台。
この都市の女性天文学者ヒュパティア(レイチェル・ワイズ)の一生を描いた作品。
だから邦題から想像されるような歴史だいスペクタルというのではなくて、歴史の波に翻弄されたある人物の伝記である。

ヒュパティアは地動説、天動説などの宇宙の真理の解明に全情熱を傾けていた。その美貌ゆえに彼女への恋心を抱く弟子も何人もいたが、それを受け入れることもなく、ただ学問に没頭していた。
そのころ、世間では台頭してきたキリスト教と、古代の神々への信仰が対立し、武力への争いに発展していた。
そして貴重な文献を所蔵する図書館までが破壊され、古代への神々への信仰を曲げないヒュパティアにも迫害の手が伸びてくる。

歴史に疎いために、多神教キリスト教ユダヤ教がどの時点ではどのように勢力を持っているのかというせめぎ合い判りにくかったのは残念だった。
宗教に関しては非常におおらか、というか、いい加減というか、そんな独特の風土を持つ日本に暮らしていると、宗教の対立の深刻さは到底理解しにくい。
なにしろお正月には神社に参り、お葬式は仏様でおこなって、クリスマス・ケーキを食べるのだから(笑)。

余談になるが、先日訪れたインドでも、ヒンドゥ教、イスラム教、それに仏教の対立があるとのことだった。
現地の知識階級の人が、日本のように他の宗教にも寛容であることが理想です、といっていた。

この映画では、そのような宗教の対立があり、さらにあの時代には科学が宗教と対峙するものだったのだ。
ヒュバティアは実在した人物とのことだが、すごい女性がいたものだ。

史実によれば、最後まで改宗しなかったヒュパティアは、キリスト教信者たちによって牡蛎の殻で皮膚をはぎ取られて殺されたとのこと(註 : 映画ではそんな惨いことにはなりません。)
信仰心が強くなると、これほどまでに他の信仰を許さずに惨いことをおこなうのかと唖然としてしまう。

レイチェル・ワイズがきりりとしたヒロインを、ときに哀しげに好演していた。
アレクサンドリアの街の遠景に、世界七不思議のひとつといわれた大灯台が見えていた。幻想的。