2009年 アメリカ 96分
監督:アトム・エゴヤン
出演:ジュリアン・ムーア、 アマンダ・セイフライド、 リーアム・ニーソン
官能サスペンス。 ★★
夫 (リーアム・ニーソン) の浮気を疑った妻 (ジュリアン・ムーア) が、娼婦 (アマンダ・セイフライド) に夫を誘惑してみるように依頼する。夫がどんな反応をするかを確かめたかったのだ。
しかし、誘惑を依頼された娼婦は・・・、というサスペンス。
「クロエ」というのは誘惑を依頼された娼婦の名前。
自分の肉体的魅力に疑問を持ち始める年代の女性を演じて、ジュリアン・ムーアはさすが。
誘惑に反応する夫の様子をクロエから聞きながら、次第に疑心暗鬼になっていく様も迫力がある。
クロエにあんな報告をされたら、そりゃあ平常心ではいられないよなあ。
それにひきかえ、クロエを演じたアマンダ・セイフライドはちょっと単調だった。
眼が大きい三白眼のすごい迫力で見つめられたくて今作を観たようなものなのだが。
筋立てとしても、クロエの人間像が描かれていないところが、この作品が徹底的に弱かった原因だと思う。
クロエにはもっと裏があるはずなのだが、あっさりとした人物像の描写で終わっているために、大いに不満が残るのだ。
クロエが本当にキャサリンに惹かれたのだったら、もう少し納得させて欲しかった。
母親の形見だというクロエの銀色の髪飾りが象徴的に扱われていたが、それほどの効果を生んでいるとは思えなかった。
ということで、筋立てとしては面白いのですが (フランス映画のオリジナルがあるとのこと) 、いささか残念な出来映えでした。
出演の3人はみんな好きな俳優さんなのですが・・・。