あきりんの映画生活

映画鑑賞だけのブログです(苦笑)。★★★★が満点評価ですが、ときに思い入れ加算があります。

「3時10分、決断のとき」 (2007年)

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2007年 アメリカ 122分
監督:ジェームズ・マンゴールド
出演:ラッセル・クロウ、 クリスチャン・ベイル、 ベン・フォスター、 ピーターフォンダ

奇妙な友情を描いた西部劇。 ★★★

ほとんど女っ気なし(奥さんがわずかに登場するが)の、男臭い映画。
女性には、この主役の男二人の間に流れはじめる気持ちの交流がわかるかな?
ん、失礼な疑問だったか・・・?

ダン(クリスチャン・ベイル)は、南北戦争で片足が不自由となった貧しい牧場主。
彼の土地をほしがっている鉄道会社の嫌がらせで借金はかさむばかり。家族のために、何とかお金を工面しなくては・・・。

その頃、名うての強盗団首領のベン・ウェイド(ラッセル・クロウ)が宿場で捕らえられた。
彼を裁判所のある街、ユマへの列車に乗せるために、遠く離れた駅まで護送しなければならない。
ウェイドの手下の強盗団が、彼を奪い返しに襲ってくることは目に見えている。さあ、危険を冒して誰が護送する?

映画の原題は、ウェイドを載せなければならない列車の発車時刻、「3時10分ユマ行き」。
ダンは報酬目的でウェイド護送の一員となる。
しかし、ダンにはお金の目的以上のものもあった。
足が不自由になって以来どこか卑屈になっていて、息子に軽蔑されている自分をなんとか奮い立たせて、息子に尊敬される父親像を見せてやりたい、そんな思いがある。
だから、いくら周囲がそんな危険なことはやめろと言っても、頑として引かない。

一方のウェイドは根っからの悪人。
20回以上も強盗を働き、目的のためには仲間ですら情け容赦なく撃ち殺す。そんな人物。
仲間が助けに来ることがわかっているので、その態度もふてぶてしい。
やがてダンたちの護送の仲間は一人、また一人と死んでいく。

圧巻は、駅のある街に到着してから3時10分の列車が到着するまでの2時間あまりの攻防戦。
強盗団は大金をちらつかせて、街の人までつかって護送団をおそう。
(ウェイドを狂信的に尊敬している強盗団の副首領、ベンフォスターが存在感を示している。こういう悪役がいると、映画はぐんと面白くなる。)
絶望的な情勢の中で、なおも引き受けた任務を遂行しようとするダン。

どんなに愚かな無謀な行為であろうと、息子に誇れる父親、男でありたい。その気持ちだけが最後までダンを突き進ませている。
この父親の美学、男の美学、わかるなあ。
傷つきやすく繊細で、なおかつ強情で一途なダンを、クリスチャン・ベイルが好演。

この美学を理解して共感したのが、なんと、敵であったはずのウェイド。
ラッセル・クロウ演じるウェイドの人物像が、残虐でありながら人間味があり、大変に魅せてくれた。

激しい強盗団との銃撃戦の最中に、そんなウェイドのとった行動は・・・。
そして、ラスト、二人がそれぞれに選び取った行動の結末は・・・。

男が男をわかると言うことはこういうことだ、と、最後のウェイドの行動が教えてくれる(涙)。
本作には「決断の3時10分」(1957年)というオリジナルがあるとのことです。