2010年 フランス 128分
監督:ロマン・ポランスキー
出演:ユアン・マクレガー、 ピアース・ブロスナン、 オリビア・ウィリアムズ
政治サスペンス。 ★★★
英国元首相(ピアース・ブロスナン)の伝記を書くことになったゴースト・ライター(ユアン・マクレガー)が、取材を続けるうちに、次第に大きな陰謀の秘密に近づいてしまう。
前任者のゴースト・ライターも不審な死を遂げていたのだった。
映画全体の雰囲気は、まったく悪くない。
いつも曇り空か、雨が降っている暗い天候の島。寒そうな海。
そこでの少し憂鬱な雰囲気のサスペンス展開。
登場人物も誰を信じていいのか、判らない不安感がある。
ということで、さすがにポランスキー、年をとっても映画作りは上手いと思う。
しかし、物語そのものはちょっとお粗末な部分もある。
(以下 ネタバレ気味です)
だいたいが、もし***が陰謀秘匿のために前任者を殺したのだったら、彼が集めた証拠の品を探すためにベッドのマットレスを切り刻むだろうし、絨毯だってはがして調べるだろう。
それなのに、あんな判りやすいところ(!)に隠してあった証拠品を奪わずに済ませるか? おかしいぞ。
Googleを検索しただけで、***に荷担している人物があんなに見つかってしまっていいのか?
あんな重大秘密事項は、***がGoogleに流出させるはずはないと思うのだが・・・。おかしいぞ。
最後、主人公は何故わざわざ犯人に秘密を知ったことを告げるのだ?
危険ばかり伴ってメリットが何もない行為に思えるのだが。
そんなことをすれば自分の身に危険が降りかかるのは判っているだろうに。おかしいぞ。
ということで、上手く作ってあるサスペンスなので観ている間は退屈することもないのだが、よく考えると物語にはかなり甘いところがあった。
なので、見終わった後は、あれ、こんなものだったのかな・・・?という印象になった。
この年のキネマ旬報の1位だったらしいのですが。・・・。