2003年 韓国
監督:パク・チャヌク
出演:イ・ヨンエ、 チェ・ミンシク
凄絶な復讐劇。 ★★★
長い間、この映画はタイトルからは韓国独特のコメディものかと思っていた。
ところが、監督はあの「オールド・ボーイ」のパク・チャヌクではないか!
これは観なくては。。。。
同監督の復讐シリーズの第3作とのこと。
ある人物(チェ・ミンシク)に幼児誘拐殺人の罪を背負わされクムジャ(イ・ヨンエ)は、13年の服役を終えて出所する。
クムジャは、刑務所の中では誰に対しても優しく、“親切なクムジャさん”と慕われていた。
しかし、これはその人物へ復讐を果たすための準備だったのだ。
韓国ドラマはほとんど見たことがないので知らなかったのだが、クムジャさんを演じたイ・ヨンエはあの大人気ドラマ「チャングムの誓い」のヒロインだったとのこと。
それに、今回復讐されるのは、前作「オールド・ボーイ」では復讐する側だったチェ・ミンシク。(といっても、前作でも復讐されていたか・・・ 苦笑)
物語としては、出所したクムジャが、刑務所の中で気づきあげた人間関係を利用しての復讐の過程を描いている。
なぜ、クムジャは自分が犯していない幼児誘拐、殺人を自白したのか、その謎も明らかになっていく。
しかし、刑務所の中での親切さが復讐にぴたりと役立っているかと言うと、それほどでもないなあというのが正直な感想。
それに、13年も時間をかけて復讐の案を練ったわけだが、それほどの複雑な計画でもなかったなあ。
恨みの人物を捕らえ、さあこれから凄惨な復讐が始まるぞというときになって、物語は大きく展開する。
監督の描きたかったのは、本当はここからの展開だったのかもしれない。
親切なクムジャさんが本領を発揮するのだ。
自分だけの復讐ではなくて、復讐したい人にもその権利を譲ってあげるのだ。
なんて”親切なクムジャさん”なんだ(笑)。
全体的な感想としては、「オールド・ボーイ」に比べれば衝撃度はやや少ないか。
それでもどろどろと見せてくれます。
日本映画の奥ゆかしい描き方に比べると、韓国映画って人間の感情表現が濃厚だとつくづく思わされる。
胃の中までべっとりしてきそう です(これは褒め言葉です)。