あきりんの映画生活

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「アウトレイジ ビヨンド」 (2012年)

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2012年 日本 112分
監督:北野武
出演:ビート・たけし、 三浦友和、 西田敏行、 小日向文世

ヤクザ映画の続編。 ★★★☆

”全員悪人”というのは前作のキャッチ・コピーだったか。
この続編も強面の”悪人”ばかり。
ガンをつけるわ、すごむわ、どなるわ、もう善良な一般市民にはとても想像も出来ない世界がある。
映画とは言え、怖いよなあ、ビビるよなあ。

関東一円を治める巨大ヤクザ組織が山王会。
そのトップは、前会長を裏切ってその座についた加藤(三浦友和)。若頭は、大友(ビート・たけし)の組を裏切って寝返った石原。
彼らに不満を持つ山王組の古参幹部、山王会に恨みを持つ元・木村組の木村。そこに乗じて関東進出を狙う関西の花菱会。彼らをたきつける悪徳刑事・片岡(小日向文世)。
文字通り血みどろの裏切りと策謀の権力争い。

かっての東映ヤクザ映画と言えば、高倉健の「昭和残侠伝」に、藤純子の「緋牡丹博徒」。その後は菅原文太の「仁義なき戦い」だった。
その頃はよく観ていたが、この30年ぐらいは観たことがなかった。
北野武監督だということで、前作、今作と観た。流石に面白くつくられている。

まあ、出てくる役者が皆怖い(笑)。
なかでも関西弁で迫力を見せるのが花菱会の若頭役の西田敏行
あの涙もろい人情派の「探偵ナイトスクープ」の局長が、ポマードべったりの髪型で巻き舌で啖呵を切る。
これが同じ人物かと感心する。役者ってすごいものだと思う。

主人公の大友は今作ではどうも元気がない。
ヤクザから足を洗おうと思いながら、結局は”義理と人情”で山王会への復讐劇を始めてしまう。
しかし、かっての高倉健の演じた”義理と人情に翻弄されて”といった格好良さからはほど遠い。どうも覇気がない役となっている。
これは監督北野武が狙ったところなのだろうか。

それに、ヒットマン達による山王会幹部暗殺もとても容易におこなわれてしまう。
こんなに簡単に事が運ぶなら、敵の組を壊滅させることなんてすぐに出来てしまう。

もちろん、ヤクザとはいってもこんな事を実際にしているわけではないのだろうし、映画として極端に描いているわけだから、それでいいのだろう。
最後に大友は一番の”悪人”を撃ち殺す。それも相手が渡してくれた拳銃で、だ。
なるほど、美学だ。

ということで、よく出来たヤクザ映画でした。