あきりんの映画生活

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「10人の泥棒たち」 (2012年)

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2012年 韓国 138分
監督:チェ・ドンフン
出演:キム・ユンソク、 キム・ヘス、 チョン・ジヒョン

痛快エンタメ作品。 ★★★☆

邦題からは軽~い感じの強盗ものかと思って観始めた。
ところが、なんとなんと、厳重な警戒を破っての宝石泥棒もあるのだが、それ以上に絡み合った男と女の思いが物語を支えていた。
これは掘り出し物だった。

冒頭で5人組の窃盗団が古美術をまんまと盗み出すエピソードが描かれる。
セレブ母娘を装って注意をそらしたすきに、ワイア・アクションで高層ビルの窓から侵入。
ここからして痛快。これは期待できるぞ。

その韓国の窃盗団に、かっての仲間だったマカオ・パク(キム・ユンソク)から宝石泥棒の計画が持ちかけられる。
中国の窃盗団も仲間となって、総勢10人のチームが香港へ乗り込む。
狙うのはカジノの特別金庫に保管されている幻のダイヤ。

と、こうくれば誰だって思い出すのは、あの「オーシャンズ11」。
あの映画では、いろいろな分野のプロを集めてのチームを結成して、難攻不落の金庫からの盗みをおこなっていた。
ところがこの映画では、チームとなった韓国グループと中国グループはいがみ合い、おまけに同じチームの中でも裏切りを企んでいる者ばかり。
こんなチームで上手くいくのだろうか?

実のところ、幻のダイア盗み作戦は、どこが要なのかがよく分からずしまい。
いろいろと下準備をしたりもするのだけれど(なるほどと感心する部分もあった)、結構ずさんな計画だったのじゃないかな。
それに10人も要らないだろ、この計画だったら・・・(汗)。

ただ、観ていて面白いことは面白い。
注意をそらすために日本人の金持ち観光客夫婦に仲間の二人が扮して、カジノで豪遊してみせたりする。
この二人が珍妙なカタコト日本語会話を交わす。思わず微笑してしまう。
おまけに、この中年の夫婦役の二人は意気投合してしまう。
ベッドルームに行く前の会話は、(女)ワタシ、10ネンクライ、シテイナイ。(男)ダイジョウブ、ヤリマショウ・・・(笑)。

さて、ワイアを使っての建物侵入のプロ、 イェニコール役にはチョン・ジヒョンが扮していた。
大ブレークした「猟奇的な彼女」の頃からかなりの年数が経って、彼女もすでに30歳代に入ったはず。
それなのに、小悪魔的な可愛らしさがまったく変わっていない。魅力的。
引き締まった身体で、かなりのアクション・シーンをみせてくれる。素晴らしい。

ダイアを無事に盗み出した後に、第2章が始まるという感じ。
仲間内でこのダイアをめぐっての騙し合い、裏切り合いがはじまる。
さらにそこに過去の因縁がからみ、男女の愛憎がからんでくる。
誰が誰を信じているのか、誰が誰を裏切ろうとしているのか、そして本物のダイアを今持っているのは誰なのだ?

特筆すべきは、後半にくり広げられる建物の壁面を使っての追跡劇。
ワイアで吊り下がった身体をフルに使ってのアクションは、固唾をのんで見守るといった感じだった。
エアコンの室外機が次々に蹴飛ばされて落下したりするのもリアリティがあった。

適度のユーモア感覚もあり、エンタメ性は充分な映画。
ツ○ヤでレンタルをはじめた時には、面白くなかったら料金は返します、との宣伝をしたとのこと。
それでも未だ観ようかどうしようか迷っているならば、ひとこと、・・・ダイジョウブ、観マショウ。