あきりんの映画生活

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「推定無罪」 (1990年)

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1990年 アメリカ 127分
監督:アラン・J・パクラ
出演:ハリソン・フォード、 ボニー・ペデリア

法廷もの。 ★★★★

法廷ものには面白いものが多い。
検察と弁護の両者が理論をぶつけ合うのだから、脚本がしっかりしているのだろう。
十二人の怒れる男」とか「情婦」は、そりゃあもう傑作だった。
この作品もお気に入りである。

エリート検事のラスティ(ハリソン・フォード)の同僚だった女性検事補キャロリンが殺された。
で、ラスティは上司の命でその事件を担当することになる。
しかし、実はラスティとそのキャロリンは愛人関係だったことがあり、そのためにラスティと妻の関係は破綻していたのだった。

この映画のミソは、事件を担当した主人公が調査をしていく内にすべての証拠が、犯人は主人公だと示し始めるところ。
変質者によるレイプ殺人だと考えられていたのに、実は被害者の拘束は死亡後の偽装であり、性交の前に二人はビールを飲んでおり、そのグラスからはラスティの指紋が検出され、被害者の腟内からは避妊用ゼリーの使用が判明したり・・・。

こんなに不利な証拠が明らかになってどうする?
案の定、一転してラスティは容疑者となり法廷でも闘争となる。
陪審員を前にして検事と弁護士の論戦が始まる。

ラスティが頼るのが、これまでは仕事上の敵だった敏腕弁護士。この弁護士役のラウル・ジュリアがよかった。
法廷場面に登場するだけなのだが、慇懃無礼な雰囲気をかもし出していて、主役のハリソン・フォードよりも印象的だったのではないだろうか。

(以下、ネタバレ気味)

この映画の欠点といえば、ラスティが犯人ではないと思ってみている者には、グラスに付いていた彼の指紋とか、腟に残っていた精液とかから、真犯人が推測されてしまうこと、かな。

法廷闘争の過程でとにかく、あっと思わされたのが、解剖結果からキャロリンが避妊手術を受けていたという事実の発見だった。
これによって避妊ゼリーを使用していたという証拠品の信憑性がゆらいだ。
これには唸った。なるほどなあ。
で、”疑わしきは罰せず”ということになるわけだ。

ラスティの冤罪容疑は晴れた。すると真犯人は誰だった?ということになる。

女の武器をこれでもかと利用して権力を追い求めていた被害者のキャロリンも怖ろしい女だったけれども、もうひとりの(真犯人の)女も怖ろしいなあ。

おまけ:
原作小説には続編もあるらしいのですが、そこでもまたラスティは不倫をしているとか。
男も情けない?