あきりんの映画生活

映画鑑賞だけのブログです。★★★★が満点評価ですが、ときに思い入れ加算があります。約2000本の映画について載せていますので、お目当ての作品を検索で探してください。監督名、主演俳優名でも検索できます。

「エグザム」 (2009年)

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2009年 イギリス 101分
監督:スチュアート・ヘイゼルダイン

不条理な採用試験。 ★★★

登場人物は10人だけ。それ以外は通行人など一切映らない。
知っている俳優は一人も出てこない。
全編、窓のないひと部屋内だけが舞台。
低予算映画の極致。しかし、なかなかに面白かった。

とある有力企業で行われた採用試験のようなのだ。
受験者は国籍もキャリアもばらばらの8人で、採用されるのは1人だけ。これまでの厳しい予備試験を受けて残った8人の最終試験。
会場のドア近くには拳銃武装した警備員がいる。

試験監督官が説明したルールは3つ。
1)試験監督、または警備員に話しかけてはならない。
2)自分の試験用紙を破損してはならない。
3)部屋から出てはならない。
何か質問は? ・・・では、はじめてください、と言って試験官は退室していく。
試験時間は80分。
で、受験者たちが試験用紙を裏返すと、そこには何も書かれていないまったくの白紙。
えっ? どうすりゃいいの?

この採用試験で求められているのは何?
どういうことをすれば、他の者を出し抜いて自分が採用されるのだ?

用紙に自己アピールを書き始めた女性は、なんと、ただちに警備員によって部屋から追い出されてしまう。
用紙の破損に該当する行為だったようだ。
じゃあ、どうすればいいんだ?
監視カメラに向かって質問をした者も、直ちに部屋から追い出されてしまう。

質問がわかるまでは協力して考えようと、残った者はさまざまな可能性を確かめる。
用紙を水で濡らしたら文字が浮かび上がるのでは? 熱したら文字が浮かび上がるのでは?

協力をするふりをしながら他人を失格させようとする狡い人物もいる。
他人とまったく協力しようとしない偏狭な人物もいる。
会社の回し者ではないかと疑われる人物もいる。
持病の発作を起こす人物もいる。
失格になって部屋から追い出される人が出て、残った者は次第に疑心暗鬼になっていく。

有名俳優が一人も出ていないので、かえって登場人物に偏った思い入れをせずに見ることができた。
部屋の中の行動と会話だけなので、まるで舞台劇のよう。

ついには警備員の銃の奪い合いまで始まる。
こんな展開で一体どうなるのだ?と思っていたが、ううむ、そう来たか。
”採用試験”がどんなものであったのかは最後に明らかになるのだが、それ、ちょっと無理があるよなあ。
いかにも現実離れしているぞ。

でも、低予算映画としてはよく頑張っていたのではないだろうか。
こういう映画はわりと好きです。