あきりんの映画生活

映画鑑賞だけのブログです。★★★★が満点評価ですが、ときに思い入れ加算があります。約2000本の映画について載せていますので、お目当ての作品を検索で探してください。監督名、主演俳優名でも検索できます。

「下妻物語」 (2004年)

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2004年 日本
監督:中島哲也
出演:深田恭子、 土屋アンナ

青春ガール・コメディ。 ★★★☆

出だしから、どれだけふざけて映画を撮っているんだ!と呆気にとられる。
しかし、そこが中途半端でないので面白い。
なかなかここまでやれないよ、普通の人は。

映画の舞台は茨城県下妻市。田んぼだらけの田舎町。
そんな土地にまったく似合わないフリルだらけのロリータ衣装の女子高生・竜ヶ崎桃子(深田恭子)。
東京までせっせと通ってファッションに磨きをかけている
そんな彼女のモノローグでお話が進む。

この下妻では駅前のジャスコに、そしてジャージーに、この街のファッションのすべてがあるというところが抜群に面白い。
えらい、こんな発想をしたあんたはえらい。

そんな中で桃子は他人に合わせようなんて思わない、他人にどう思われようとかまわない。
当然ひとりぼっちで友達もいないのだが、そんな潔さが痛快でもあり、少し痛い。
深田恭子がお人形のような顔立ちで、現実からちょっと浮いたようなことを淡々と解説してくれるのが妙に面白い。

桃子の家には、人生落伍者の桃子の父親(宮迫博之)が某有名ブランドのバッチモンを山積みにしていた。
小遣いの足しにしようと桃子がそれを売りに出したところ、特攻服で原チャリを乗り回すヤンキー娘・イチゴ(土屋アンナ)が買いに現われる。

このヤンキー娘も価値観は世間常識から外れていて、やっぱり浮いている。
土屋アンナが漫画的なまでにオーバーにその雰囲気を出している。デビューしたての頃だったはずだが、適役!

そんな二人が何故か意気投合していく。
二人とも周りからどんなに浮いていようとも、自分の世界には純粋に一途だったわけだ。
それぞれに孤独で、相手の世界に踏み込まずにわかり合える相手に巡り会えたのだろうな。

お産のときに不倫してしまう桃子のお母さん(篠原涼子)もよかった。
元ヤンキーだというおばあちゃん(樹木希林)にはもっと過去があるのかと思ったら、これはあっさりとスルーだった。残念。

後半の盛り上がりなんてベタなのだけれども、それを意にも介せず堂々とやってしまうところが、えらい。
これだけ馬鹿馬鹿しくて、それでいて見終わった後には、なにか良い映画を観たなあという気にさせてくれる。
大したものです。