あきりんの映画生活

映画鑑賞だけのブログです。★★★★が満点評価ですが、ときに思い入れ加算があります。約2000本の映画について載せていますので、お目当ての作品を検索で探してください。監督名、主演俳優名でも検索できます。

「コズモポリス」 (2012年)

イメージ 1

2012年 フランス 110分
監督:デヴィッド・クローネンバーグ
出演:ロバート・パティソン、 ポール・ジアマッティ、 ジュリエット・ビノシュ

哲学的な映画? ★☆

すごい映画を撮るとは聞いていたものの未だ観たことのなかったデビッド・クローネンバーグ監督。
その監督の作品ということで鑑賞。

で、鑑賞したのだけれども、へ、こういう映画?
ほとんどの舞台は高級リムジンの車中だけ。
そこで主人公がいろいろな人々交わす会話、狭い室内での行為で映画がすすみ、そして終わっていく。う~ん?

投資家で大富豪のエリック・パッカー(ロバート・パティンソン)が主人公。
彼は大統領がやってくるために厳戒態勢になっているニューヨークで、リムジンに乗って床屋へ行こうとしている。
しかし、街は渋滞やデモなどで混乱しており、遅々として目的地に着かない。
その間に人民元の取引で彼は壊滅的な損害を被ることになる。

リムジンには代わる代わるにいろいろな人が乗り込んでくる。
情報屋との会話は、この密室の外の世界が異質なもののように思える。
娼婦を乗り込ませてセックスをしたりもする。
デモ行進の人並みが映ったりして外の世界は大荒れのようなのだが、室内は静謐で、なにごとも起こっていないかのよう。

なぜかパッカーを拒絶している新妻にはあちらこちらで出会う。
そのときだけ彼は車を降りる。そして一緒にファーストフードを食べながら、妻にセックスをしようと懇願する。そして拒絶される。

いつまで経っても目的地の床屋へたどりつけないという状況は、カフカの小説を想起させる。
殺し屋が自分を狙っていて危険だという状況の中で、あくまでも床屋へ行こうとするパッカー。
最後にはその殺し屋と対峙する。

映画では肉体も状況も、非対称ということに固執していた。
形而上的なのだか、哲学的なのだか、深読みしようと思えばなにやら深遠なメタファーもありそうな気もする。
しかし、そこまで考える気力もなく見終わりました。

この映画、なんだった?
高い評価をしているかたもいるようですが、私には合わなかったなあ・・・(泣)