あきりんの映画生活

映画鑑賞だけのブログです。★★★★が満点評価ですが、ときに思い入れ加算があります。約2000本の映画について載せていますので、お目当ての作品を検索で探してください。監督名、主演俳優名でも検索できます。

「項羽と劉邦」 (2011年)

イメージ 1

2011年 中国 135分
監督:ダミエル・リー
出演:レオン・ライ、 ウィリアム・フォン

中国歴史ドラマ。 ★★★

三国志」が好きな人なら、水滸伝や、この項羽と劉邦の物語もおそらく好きだろう。
ご多分に漏れず、私もその一人。

この二人の争いは、紀元前206年からの約5年間のこと。
秦王朝が滅亡し、その後の政権をめぐって西楚王項羽(ウィリアム・フォン)と漢王劉邦レオン・ライ)が戦った。

はじめに優勢なのは項羽。きりりとしていて、いかにもカリスマ性がありそうに描かれている。三国志でいえば曹操のイメージかな。
かたや劉邦はややおとなしめの人物像として描かれている。もちろん劉備玄徳ですね(笑)。

国を治めるのはどちらか一人だっ!と、項羽と劉邦がお互いの存亡を賭けて対峙したのが鴻門の会。
歓談しながらもおたがいに相手を隙あらば殺そうとしている。
この映画のクライマックスか(映画の真ん中ぐらいですが・・・ 苦笑)。

三国志では諸葛亮孔明司馬懿という軍師が知略を争ったように、項羽には范増(アンソニー・ウォン)、劉邦には張良(ハンユー)という軍師がいる。
鴻門の会ではこの二人の軍師が同時に五つの碁盤での碁の対局をすることになる。それも碁盤を全く見ずに頭の中だけで戦う。
実際に我が国のプロの囲碁棋士はおこなうことができるというが、すごいものだ。
(ちなみに、一色碁というのもあって、それは両者共に白石を打つのだそうだ。どの白石が自分の石だったのかを全部覚えておかなくてはならないわけだ。これもすごい。)

こうして覇権を争う二人だったが、張良の策謀により范増が失墜させられる。
罠にはまり疑心暗鬼となった項羽が范増を追放してしまったのだ。
そのためもあって、それまで絶対優勢だった項羽は次第に劉邦に追い詰められていく。

項羽が愛し抜いた妻といえば、美女の誉れ高い虞姫。
この映画の虞姫は、妖艶さはなく清楚な感じであった(あのデュエット・グループ、ウインクの一人に似ていた 笑)。
諺にもなっている”四面楚歌”の状態となり、項羽は、虞や虞や汝をいかんせん、と嘆くわけだ。

こうして劉邦が覇権を握るわけだが、失意のうちに死んだ范増は策略を残していた。
その策略によって疑心暗鬼となった劉邦もまた大粛正をしてしまう。

劉邦がたてたのが前漢王朝。この血筋を引いた後漢王朝が倒れて三国時代となるわけだ。
中国のこういった歴史物は面白い。
ちなみにこの項羽と劉邦の物語は何度も映画化されたりTVドラマ化されている。
チャン・イーモ-が監修をしてコン・リーがでているものもあるとか。観てみたい。