あきりんの映画生活

映画鑑賞だけのブログです(苦笑)。★★★★が満点評価ですが、ときに思い入れ加算があります。

「愛のむきだし」 (2008年)

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2008年 日本 237分
監督:園子温
出演:西島隆弘、 満島ひかり、 安藤サクラ

園監督の疾走する青春映画。 ★★★★☆

言わずと知れた園子温の怪作。
DVD2枚組、237分という長さにこれまで手が出しにくかったのだが、ついに・・・。

キャッチコピーは「裸もセックスも出てこない純愛映画」ということだったが、まあ、園監督のことなので当然のごとくR15指定。
洗練された映画手法なんかどこかへ追いやって、物語は ”むきだし” の勢いで突っ走る。
ぎごちないのだが、それがある種の力強さにもなっていて、全く退屈することなく4時間近い作品を一気見した。満足。

クリスチャン一家に生まれたユウ(西島隆弘)は早くに母を亡くしてからは、理想の女性を捜し求めていた。
しかし神父となった父には罪を懺悔することを強要される毎日で、ついには罪を作ろうと思いたつ。そのために始めたのがパンチラの盗撮。
まるでずっこけるような展開なのだが、コミカルな感じと、危ない精神の一歩手前という感じが上手くミックスされている。

そしてユウが出会った理想のマリア様が男嫌いのヨーコ(満島ひかり)。
当時はまだほとんど無名の新人だったという満島だが、実に存在感がある。オーラを放っていたといってもいいぐらい。
この満島の演技を引き出した園監督の手腕も大したものだなあ。

そのヨーコは女装したユウに憧れてしまう。
ユウもヨーコのパンチラに勃起するのだが(この映画では、愛は勃起なのだ!)、男であることがヨーコにばれてはマズい。
右往左往。何をやっているのだか。

物語はめまぐるしく展開する。
どこまで進んでいたのかもおぼろげだが、なんと開始して1時間が経ってから映画タイトルが出る。これって、どうよ。

そのうちに明らかにあのオーム真理教をもじったと思える怪しげな新興宗教が登場する。
その宗教団体の幹部コイケに安藤さくら
この安藤さくらが実に不気味で好い。ねめ回すような気持ちの悪い目線で見つめてくる。

悪の宗教団体に洗脳されてしまったヨーコを助け出そうと、必死に頑張るユウ。
頑なに心を閉ざすヨーコと一緒に、浜辺に放置されていた廃バスに閉じこもってユウが何日も過ごす場面は緊張感にあふれていた。

大団円では「地獄でなぜ悪い」にも通じるカタルシスの展開となる。
どこまで突っ走るのだ? どこまでも! という感じで映画は疾走し続けていた。

パンチラ盗影といい、怪しげな新興宗教といい、題材はとても俗っぽいものを扱っている。
園監督にとっては題材はあくまでも材料であって、何でもいいのではないか、とも思えてくる。
とにかく面白そうな題材を利用して、愛であるとか、性であるとか、暴力であるとか、そんな普通は目には見えないものを具現化しようとしているように思える。

4時間をあっという間に一気見してしまった。
噂にたがわぬ怪作でした。
傑作です。