あきりんの映画生活

映画鑑賞だけのブログです(苦笑)。★★★★が満点評価ですが、ときに思い入れ加算があります。

「オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ」 (2013年)

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アメリカ 2013年 123分
監督;ジム・ジャームッシュ
出演;トム・ヒドルストン、 ティルダ・スウィントン

ジム・ジャームッシュ監督のヴァンパイアもの。 ★★★

割とのほほんとしたイメージを持っていたジャームッシュ監督が、尖ったイメージとなりがちなヴァンパイアもの?
はて、どんな映画になっているのだろう?

アメリカで夜のデトロイトに住むアダム(トム・ヒドルストン)は素顔を見せないカリスマ的な人気ミュージシャン。
しかし、実は永遠に生きているヴァンパイアだった。
現在は人を襲うことはせずに、輸血用の血液を裏ルートで入手していた。

バンパイアの物語なので、当然のことながら描かれる場面は夜ばかり。
太陽が沈んでからのお話だから、画面は暗く、雰囲気も冷え冷えとしている。
ほの暗い室内、人気の途絶えた街はずれ。それがなんとも気怠い雰囲気を伝えてくる。
やはりジャームッシュ的だ。

アダムの恋人イヴ(ティルダ・スウィントン)はモロッコのタンジールに住んでいる。
夜行飛行機を乗り継いでイヴはデトロイトにやってくる。
と、そこへイヴの妹エヴァがあらわれる。
気分屋で問題児のエヴァの行動は二人の静かな夜をかき回す。

ティルダ・スウィントンといえば、「スノーピアサー」では出っ歯のちょっとコミカルな権威主義者を演じていた。
今作の、少し気怠い謎めいた大人の女性、とは全く違っていた。
こんなにも違う役を演じるなんて、女優というのはつくづく大したものだと思う。

荒廃の街デトロイト、異文化が混じり合っているタンジール。
アダムとイヴの二人は夜の暗さを縫って旅をする。
ちょっとした喧噪や事件はあるのだが、全体的には静かに物語はうねっているだけ。
”派手な吸血鬼もの” とはまったく違うので、ジャームッシュの映画だと思って観始めないと戸惑うかもしれない。

終わりの方でレバノンの歌手が歌っている場面があった。
中近東独特のリズムで、大好きなナターシャ・アトラスに似た雰囲気で好かった(彼女の「バラの恋人」は好いですよ)。

最後、ゾンビ(この映画では人間のことです 苦笑)の血でも、恋人たちの血は愛があるので汚れていなかったのだね。

彼の作品に対してはオフ・ビート感覚とか、スタイリッシュとかいう言葉がよく使われる。
この作品もそうでした。
彼の作品の好きな方なら満足できると思います。