2005年 アメリカ 101分
監督:マーク・フォスター
出演:ユアン・マクレガー、 ナオミ・ワッツ、 ライアン・ゴズリング
夢と現。 ★★★☆
どこか奇妙な物語が展開される。
タイム・スリップものなのか、それとも妄想世界が現実に世界に入り交じってきているのか、そんなことを思いながら観ていた。
違った・・・。
主人公は精神科医のサム(ユアン・マクレガー)。彼には自殺未遂を図ったことがある恋人のライラ(ナオミ・ワッツ)がいる。
さて、サムは新らしい患者ヘンリー(ライアン・ゴズリング)を受け持つことになるが、彼はどこかエキセントリック。
ヘンリーは3日後の21歳の誕生日に自殺すると予告したりする。
サムはなんとかヘンリーを思いとどまらせようと、行方をくらませた彼を探し続ける。
ヘンリーの行動もどこか不思議なのだが(これから変わる天候を予言したりする)、映像にもどこか奇妙なところがある。
これはどういったことを映しているのだ? この映像の意味は何なのだ?
その不思議さは奇想天外とかいうのではなく、どことなくおかしい、どことなく奇妙、といった感じである。
だから物語にはついて行けるのだが、違和感を感じながら物語を追うことになる。
ヘンリーを演じているライアン・ゴズリングの哀しそうな表情が、実に好い。
彼はバイオレンスものとされる「ドライヴ」や「オンリー・ゴッド」でも、どこか内面に哀しみを隠しているような雰囲気があった。
そしてナオミ・ワッツが非情に魅力的。
彼女の映画の中では一番きれいなのではないだろうか。
やがて、いくつも不思議なことも起こってくる。
目が見えなかったはずの父親の目が見えるようになったりする。これはどういうことだ?
それに、たしかに死んだはずの犬が出てきたりもする。これはどういうこと?
映画の最後になって、それまでにちりばめられていた出来事が組み合わされる。
物語に入れ替わりに現れていた人物たちも、集まる。
なるほど、そうだったのか。
(以下、完全ネタバレ)
最後に、冒頭の事故がもう一度映し出される。
そして、これまでの物語が**状態の(そして***いく)ヘンリーの**映像であったことが判る。
なるほど、そうだったのか。
これまでの魅力的な不思議な映像も納得させられる。
サムは事故現場で彼を助けようとした人物で、ライラも偶然にその場に居合わせた看護師だったのか。
もちろん二人は初対面だったのか。
そうか、ヘンリーの様々な思いが、映画の物語を作り上げていたのだな。
ここまでの映像の意味が判ると、もう一度はじめから観直したくなる作品です。