あきりんの映画生活

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「チャンプ」 (1979年)

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1979年 アメリカ 123分
監督:フランコ・ゼフィレッリ
出演:ジョン・ボイト、 リッキー・シュローダー、 フェイ・ダナウェイ

父子もの。 ★★★☆

前にも書いたことがあるが、私は子供をダシに使った映画は狙い所が見えすぎるのであまり好きではない。
しかしこの映画、解説記事では「公開当時、全国を涙で覆った感動作!」とある。
そこまで言うのなら、観てやろうじゃないの。

かつてのボクシング・チャンピオン、ビリー(ジョン・ボイト)は、妻に去られてから一人息子のTJ(リッキー・シュローダー)と、競馬場で働きながら暮らしていた。
息子のT・Jは、尊敬する父がいつかは栄光の座に戻ると信じて、今も“チャンプ”と愛称で呼んでいた。

ねえ、設定としては見えてしまうでしょ。
しかも息子に尊敬されている父は、息子の金をくすねてバクチに行ってしまうような、どうしようもない男。
しかし、息子を愛する気持ちだけは誰にも負けない。
そこに今は人妻となって裕福な生活をしている元妻、TJの母親(フェイ・ダナウェイ)と、ひょんなことから再会してしまう。
ねえ、さらに設定としては見えてしまうでしょ。

TJの将来を思えば、息子を母の元へやった方がいいのかもしれない。
自棄になったビリーはバクチで負け、暴力事件を起こして留置所に入れられてしまったりもする。
それでもTJは父親が大好きで、どこまでも尊敬してくれるのだよ。

この映画、とにかく子役のリッキー・シュローダーの健気な様にすべてがある。
愛らしく、駄目な父親をそれでもひたすら慕ってくれる。
これはもう、泣かせるための反則技といってもいいぐらい。

ついにビリーは復帰試合を戦うことを決意する。
7年のブランク、年齢も37歳。誰が考えても無謀としかいいようのない戦いに挑む。

「ロッキー」では主人公はエイドリアーン!と叫んだが、この映画では主人公はただただ息子のために戦う。
父親の必死の戦いぶりに、息子は途中でタオルを投げ入れようとするのだが、父親はそれを制して最後まで戦う。
そして・・・。

ベタな設定、ベタな物語、ベタな展開・・・。
それなのに、最後には不覚にも涙が出てしまった。
それもこれも子役のリッキー・シュローダーの名演技のため。
たしかに感動作でした。

(どうでもいい追記)
私の好きなボクシング漫画3つと言えば、「あしたのジョー」、「はじめの一歩」、そして「がんばれ元気」。
泣けるのは、やはり「がんばれ元気」でしたね。