2014年 アメリカ 97分
監督:ロバート・ストロンバーグ
出演:アンジェリーナ・ジョリー、 エル・ファニング、 シャ-ルト・コプリー
デイズニーの新しいファンタジー。 ★★★
元ネタは、ディズニー・アニメの名作「眠れる森の美女」。
ここで悪役だった魔女マレフィセントを主人公にした新しい物語。
その魔女(この映画では妖精なのだが)にアンジェリーナ・ジョリー。この映画、まったく彼女のための映画といっても過言ではない。
久々の主演映画ということで、アンジー・ファンとしては大満足。
それにしても、悪役を主人公にして、いったいどんな映画を(優等生の)ディズニーが作ったのだろうかと思っていた。
あまりダークな方向には持っていけないだろうし・・・。
観て感心した。なるほど、これならディズニーだなあ。家族で観ることができる。
物語の大筋は原作通り、
つまり、ある王国で生まれたばかりのオーロラ姫に、邪悪な妖精マレフィセントが呪いをかける。
その呪いは、オーロラ姫は16歳の誕生日までに糸車の針に刺されて永遠の眠りに落ちるだろう、その眠りから醒めるのには真実の愛のキスが必要だ、というもの。
しかし、マレフィセントがそんな呪いをかけたのには深~い訳があったのだ。
16歳の初々しい妖精だったマレフィセントに、真実の愛だったはずのキスをくれた初恋の男は、欲に目がくらんでマレフィセントを裏切っていたのだ。
マレフィセントの大切な翼を切りとり、そのうえ王女と結婚して国王になっていたのだ。
この恨み、はらさでおくものか・・・。
中年のお歳になってきたアンジーだが、その美しさは凄さを増してきた。
常人ではない雰囲気となってきている。
妖精ということなのだが、やはり魔女の美しさだなあ。
(あの頬骨強調のメイク?CG?はなくてもよかったのに・・・ 汗)。
呪いをかけたオーロラ姫は森の奥深くに匿われて育てられる。
そんなオーロラ姫の様子をうかがっているうちに、マレフィセントは次第にオーロラ姫と仲良くなってしまう。
ツンデレの母性愛(?)のようなものが芽生えてしまう。
このあたりのくだりは、観ている者もほのぼのとしてくる感じで、好いなあ。
それというのも、オーロラ姫の無垢で純真な様が文句なしに微笑ましいから。
幼い頃のオーロラ姫を演じたのはヴィヴィアン・ジョリー=ピット。名前から判るようにアンジーの愛娘。そりゃ母性愛がにじみ出るわけだ(笑)。
長じてからのオーロラ姫をエル・ファニング。これも無邪気な様で可愛い。
マレフィセントに命を助けられて仕えるカラスがいる。男に身を変えてマレフィセントのためにつくす。
う~ん、SMの女王様に奉仕するような感覚で、私もアンジーに仕えてみたいぞ(汗)。
それにしても、ヒーローのはずの王子さまはいささか形無し。
オーロラ姫に真実の愛のキスをしてやることも出来ないなんて(汗)。
で、オーロラ姫に真実の愛をさしかけたのは・・・。たぶん、こうなるのだろうなという展開だったが、やはり嬉しくなってくる。
最後近く、失っていた羽根を取りもどして大きく浮かび上がったアンジーの格好良さには惚れ惚れ。
(ここで永井豪の漫画を思い浮かべてはいけません。アンジーに対して失礼というものです)
この監督は「アバター」や「アリス・イン・ワンダーランド」のデザインを担当した人らしい。
道理で造形をはじめとして映像は素晴らしいものだった。
ディズニーもなかなかやるなあ、と思いながら見おえました。