あきりんの映画生活

映画鑑賞だけのブログです。★★★★が満点評価ですが、ときに思い入れ加算があります。約2000本の映画について載せていますので、お目当ての作品を検索で探してください。監督名、主演俳優名でも検索できます。

「ボス その男シヴァージ」 (2007年)

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2007年 インド 185分
監督:シャンカール
出演:ラニカーント、 シャリヤー・サラン

楽しいインド映画。 ★★★

歌と踊りが満載。勧善懲悪。ヒロインはとびきりの美女。
というわけで、典型的な楽しさの味わえるインド映画。

主役は「踊るマハラジャ」で日本にインド映画の楽しさを伝えてくれて、最近では「ロボット」でも主役だったラジニ・カーント。
正直なところ、なぜこの人がインドでは主役を次々に演じるほどの大物なのか、理解不可能。
どうみたって、吉幾三、である(汗)。

それでも映画ではタイトルよりも前に、「スーパースター ラジニ・カーント」と画面いっぱいに映し出される。
すごいな。
とにかく主役は格好良く撮らなければならない。
アクションは強く、美しいヒロインとは相思相愛で、いつだって弱い人の味方。それがインド映画のお約束(笑)。

資産家の息子でアメリカ留学から帰国したシヴァージ(ラジニ・カーント)は、無料の病院や医学校を建てて、民衆を救おうとする。
これまで独占的に高額な医療費や学費で大もうけをしていた悪徳事業家は、当然シヴァージの計画に反対して、邪魔をしてくる。
政治家も巻き込んでの妨害工作、暴力による脅し、などなど、盛りだくさん(笑)。

一方、寺院でタミルセルヴィー(シャリヤー・サラン)を見そめたシヴァージは、もう一直線で口説きまくる。
家族ぐるみで彼女の家に乗り込み、一方的に求愛する様は、吉本新喜劇も真っ青というベタなコント風(笑)。
このヒロイン(新人女優らしい)も、インド映画のご多分に漏れず、超・美しい。

こうして勧善懲悪アクション劇と、コメディ恋愛劇が、平行して描かれていく。
ヒーローは悪徳事業家の陰謀で無一文になり、それでも民衆のために頑張り続ける。
このインドの貧困を救うためには、皆が受けられる医学と教育が必要なんだっ!

とはいっても、とにかくこの映画、やはりラジニ・カーントを満喫する映画。
途中でオヤジ集団の群舞のシーンもあるのだが、そのオヤジたち全員のお腹にはカーントの顔が描かれていたりする。
何百人ものカーントの顔が踊るのだ。すごいでしょ(爆笑)。

シヴァージの決めぜりふは”クール!”。
それも敵から渡された恨みの1ルピーコインを両手ではじき飛ばしながら、格好ポーズをつけて、堂々と画面に向かって言うのである、”クール!”
おお、観ているこちらは暑いぜ。

悪徳事業家に謀殺された(はずの)シヴァージは、なんとスキンヘッドの別人となって生還する。
おお、おお、なんという展開だ。
この映画が大成功して、カーント主役での「ロボット」が続けて作られたとのこと。

嬉しいことに、日本でもこの映画はノーカットの3時間あまりの上映。
たっぷりと堪能できます。
さらに、DVDだと嬉しいことに、メニューでダンス・シーンだけを選んで観ることができる。
好きなだけ堪能できます。

(追加:註)
インドにはたくさんの言語があり、ヒンディー語が使われるムンバイで作られる映画とタミル語が使われる南インドで作られる映画は別物扱いだそうです。
で、ボリウッドというのはインド映画の中でもヒンディー語圏の映画を指すようです。
そこまで詳しくは知りませんでした(汗)。博識の柴多さんに教えてもらいました。感謝。