1975年 アメリカ 94分
監督:トム・グライス
出演:チャールズ・ブロンソン、 ベン・ジョンソン、 ジル・アイアランド
列車を舞台のサスペンス。 ★★
タイトルからは第二次世界大戦時を扱った映画かと思っていた。
まったく違った、西部劇の時代を舞台にした映画だった。軍用列車は騎兵隊を運ぶ列車だった(苦笑)。
疫病で壊滅しそうになった砦へ向かう医療物資と救援の騎兵隊員を乗せた軍用列車が舞台。
その列車には騎兵隊員の他に、医師や牧師、知事、それに知事の婚約者も乗っている。
そこへ捕らえられた詐欺師で脱獄犯のディーキン(チャールズ・ブロンソン)と、彼を護送する保安官も乗り込んでくる。
列車を舞台とした映画の面白さは、そこが一種の密室であること、それに乗り合わせた人びとの人間模様。
そして列車内では次々に殺人事件や、思いがけない事故が起こる。
とこうくれば、これはもう西部劇版”オリエント急行殺人事件”ではありませんか(笑)。
えっ、ポワロ役はブロンソン? あまり知的には見えないんだがなあ・・・。
なんと言ってもおかしいのは、詐欺師で放火魔のディーキンの扱い。
護送中のはずの彼を列車内では自由の身にしているばかりか、知事や保安官とたちと同じ食卓につかせている。
こんな待遇を受けられるはずはないだろうに・・・。
しかし、元は医者だというディーキンは、そんなことにはお構いなしに列車内を自由に動き回り、犯人を捜そうとする。
都合がよすぎる展開だなあ。あんたはいったい何者?
観ている人はみんな、ブロンソンがただの詐欺師で放火魔の筈がないと思っているわけだし(笑)。
列車の屋根の上での格闘があり(あんな走っている屋根の上で跳び蹴りを喰らわせるとは思わなかったなあ、走っている列車の屋根の上ですよ 笑)、ダイナマイトが爆発し、インディアンまで襲撃してくる。
90分に内容は盛りだくさん。そのためにどの要素も薄味。
B級映画として楽しむのが正解でしょう。
ブロンソンの映画なので、例によってジル・アイアランドも出ています。