1976年 フランス 104分
監督:ジャック・ドレー
出演:アラン・ドロン、 ニコール・カルファン
ドロンのコミカルなギャングもの。 ★★
2011年のフランス映画に「そして友よ、静かに死ね」というのがあるが、こちらは1976年のアラン・ドロンの映画。
実在のギャングの人生をもとにしているらしい。
で、原題もそのものずばりの「ギャング」。
ロベール(アラン・ドロン)は、仲間と一緒にシトロエンで銀行に乗りつけて強盗をくり返していた。人呼んで、シトロエン・ギャング。
追ってくる警察を手玉にとっては、悠々と立ち去っていく。
別件で逮捕した自分をシトロエン・ギャングと見やぶらない警察にしびれを切らして、いきなりマシンガンをぶっ放したりもする。
要するに、思慮深さなし、ニヒルさなし、クールさなし。
軽い、軽い。まるで”俺たちに明日はないっ!”とはしゃぎ回っているよう。
これまでのドロンのギャング映画とは対照的な、陽気なお調子者のギャング。
髪型も、あっと驚くカーリー・ヘア。
どう見ても、残念ながらあまり似合ってはいなかったなあ(汗)。
監督は「ボルサリーノ」や「フリック・ストーリー」でもドロンと組んだジャック・ドレー。
手慣れているはずなのだが、それが裏目に出たのか、緊張感がほとんどなし。
音楽は「ボルサリーノ」にも似た軽快な、ちょっとノスタルジックなもので、これは悪くなかった。
ヒロインのニコール・カルファンはこの映画でしか知らない女優さんだったが、清楚な美人。彼女は好かった。
最後、邦題でバラしてしまっているような状況となる。
もっもっと危険なことをくぐり抜けてきたのに、こんなことで・・・というあっけなさ。
それが無常観につなげようとした意図なのだろうか。
しかし、あまり上手くいってなかったなあ。
ということで、評価としては(贔屓の)ドロン映画としては珍しい★★でした。
二枚目半のコミカルなドロンを観ることができる、という意味では貴重かもしれませんが・・・。