2013年 アメリカ 111分
監督:リュック・ベッソン
出演:ロバート・デ・ニーロ、 ミシェル・ファイファー、 トミー・リー・ジョーンズ
マフィア一家は恐ろしいぞコメディ。 ★★☆
フランス北部の田舎町に超してきたアメリカ人一家。
何か訳ありそうなうさんくささ一杯。
実は主人のブレイク(ロバート・デ・ニーロ)は元マフィアの親分で、仲間を裏切ったために組織から追われていたのだ。
FBIの保護の元に身を隠して、世界を転々としているようだ。
おお、ロバート・デ・ニーロがマフィアの親分という役どころ。
制作にはマーティン・スコセッシがいるということは、やはりリュック・ベッソンには、「グッドフェローズ」への思い入れがあるのだろうなあ。
ただし、この映画はマフィアを父に持つ”危ない一家”を描いたはちゃめちゃコメディ。
監視役のFBI捜査官スタンスフィールド(トミー・リー・ジョーンズ)からは、目立たないように生活しろよ、と忠告されているブレイク。
しかし、ぶち切れやすいブレイク、気に入らないことがあれば、すぐに無茶苦茶してしまう。
うへえ、さすがにマフィアって恐ろしいんだ。
というか、マフィアになるような性格の人が恐ろしいんだなあ。
この映画の面白いところは主人ばかりではなく、一家中そろって危ない人たちであるところ。
料理好きの妻のマギー(ミシェル・ファイファー)もかなりのもの。
買い出しに行ったスーパーで、アメリカ人であることをネタにされただけでぶち切れ。
うへえ、そんなことをしてしまうのかよ。
さすがにマフィアと結婚するような人は、感情の表し方が根本的に一般人とは違うんだねえ。
こんな父母に育てられれば、可愛い娘も、一見いじめられっ子に見える息子も、それなりのもの。
通い始めた高校で、負けじとあんなことや、こんなことをやってのける。うへえ。
もう、周りの普通の悪ガキどもはボッコボッコの目にあわされちゃうぞ。
私のようなごく一般常識を持っていて、ごく普通の行動しかできないへたれ人間には、こういった暴力的感情発露にはあこがれてしまうところがある(危ない、危ない・・・)。
絶対にこんな真似はできないものね。
フランスでのアメリカ人の行動。しかも根はイタリア人。
フランス人監督がそれぞれのお国柄を皮肉っているようなところも見えて、それがスパイスにもなっていた。
さて、せっかくフランスの片田舎でひっそりと(!)暮らしていたのに、息子が学校新聞に何気なく書いた記事のせいで、アメリカのマフィアに居所を知られてしまうブレイク一家。
さあ、強面の殺し屋どもが集団で送り込まれてくるぞ。
終盤は、もうマフィア映画そこのけのドンパチ状態となる。
一家そろって奮闘。娘と息子もよく頑張りました。
(あわやという場面での、まさかのトミー・リー・ジョーンズの横からのいきなりの登場。無表情の彼の、ん?といった感じがよかったねえ)
ラスト、あれだけ町を荒らしておいて、FBIもブレイク一家も、さっさと次の土地へ行ってしまう。
おいおい、この町の警察や消防はこれからどうするんだよ?
責任とってくれよ・・・という声は・・・聞こえてこないか(笑)。