2014年 日本 139分
監督:園子温
出演:綾野剛、 伊勢谷友介、 山田孝之、 沢尻エリカ
新宿歌舞伎町での物語。 ★★★
「地獄でなぜ悪い」、「TOKYO TRIBE」で、ちょっと合わなくなってきたかなあ、とも思ってた園子温監督だが、やはり観てしまった。
今回は、新宿歌舞伎町のスカウトマンの物語。
町をふらついて喧嘩に巻き込まれた金髪頭の白鳥(綾野剛)は、真虎(マコと読む 伊勢谷友介)に助けられる。
そして誘われるままにスカウトマンの道を歩きはじめる。
スカウトマンというのは、クラブやピンサロ(?)に女の子を斡旋する仕事。
路上で女の子をスカウトし、斡旋した店で女の子が稼ぐとスカウトマンにもお金が入る仕組みらしい。
そして、彼らスカウトマンはちゃんと会社組織で仕事をしていたのだ。
知らなかった、びっくり。
原作はコミックらしい。
ちょっと危ない世界の人たちの勢力争いや、騙し合い、逆らえない嫌な上下関係、それとは逆の気持ちのいい信頼のある上下関係、などなど。
題材は私のような健全な(?)世界の住人にとっては興味津々のことばかりで、2時間越えの尺がまったく気にならなかった。
そうか、歌舞伎町でうろついているお兄さんたちはこういうことをやっていたんだ。
そうか、お兄さんたちはこんなふうに女の子に声をかけるんだ。
そうか、裏側にはこんな切羽詰まった世界が隠れていたんだ。
それにしても、歌舞伎町でこれだけのロケを敢行するのは大変だったろうなと思う。
(沢尻エリカなんか、裸足で歌舞伎町を疾走したりもする)
酔客の黒山の人だかりのなかで撮影した?
主人公の綾野剛は、軽佻浮薄に見えて実はスカウトした女の子のことを真剣に考えているという、男気のある役どころ。
(といっても、コミック原作なので、あまり大げさには考えないこと 汗)
その兄貴分になる伊勢谷友介が、実に美味しい役どころ。
理想的な兄貴分はこうあるべきだというお手本のよう(笑)。
まあ、やくざ映画の風俗版もの、といえば、この映画のおおよその雰囲気は掴めると思う。
大変に観やすい映画となっている。
園監督にしてはちょっと毒気が薄まった、というか、まともになってきた、というか、普通の映画になってきた、というか。
とにかく観やすくなっている。
それがよいことなのか、よくないことなのか、・・・どちらなのだろう?
なに? 園監督、次は「リアル鬼ごっこ」?
ますます観やすくなっていそうな気もするが、果たして・・・?