2013年 韓国 120分
監督:リュ・スンワン
出演:ハ・ジョンウ、 ハン・ソッキュ、 チャン・。ジヒョン
南北朝鮮のスパイもの。 ★★★☆
ベルリンを舞台にして、南北朝鮮のスパイ組織が暗闘するサスペンスもの。
主人公は、北朝鮮のスパイであるジョンソン(ハ・ジョンウ)とその妻ジョンヒ(チョン・ジヒョン)。
彼らは一般人を装いながらベルリンで特殊任務に従事している。
そこに、対立する韓国のスパイ組織のジンス(ハン・ソッキュ)が絡んでくる。
この映画の特異な点は、舞台をベルリンにしていること、そして主人公を北朝鮮のスパイにしていること。
国の絶対的な命令で、夫婦仲さえ危うくさせられる。
不幸の影を背負っているような奥さん、あんな命令までされて、可哀想。
う~ん、この映画は北朝鮮でも公開されるのだろうか?
肉体を使った迫力のあるアクション場面も出てくる。
北朝鮮の軍隊では格闘技訓練がすさまじく、それも、致命傷となる相手の急所を狙い、1分以内で相手を倒す、という技術だそう。
恐ろしい。
(北朝鮮のスパイが日本で暴れたら警察では太刀打ちできないのではないだろうか?)
ベルリンは各国の諜報活動が交差しているらしく、南北朝鮮以外の諜報機関も登場してくる。
CIAとか、ロシアとかアラブとか。
ちょっと複雑に絡みあっているように見えるのだけれども、中心になっているのは南北朝鮮だけ。アラブは陰謀に利用されるだけ。
ハン・ソッキュは「八月のクリスマス」で初めて観た。
すっかりドラマの人だと思っていたら、次に観たのはあの「シュリ」だった。ああ、いろいろ演じるんだなあと思った。
個人的には、(特にあごのあたりが)伸助に似ていると思っていたのだが。
そして嬉しかったのはチョン・ジヒョンが出ていたこと。
「猟奇的な彼女」もよかったが、「イルマーレ(韓国オリジナルの方)」や「デイジー」の彼女もよかった。
と思っていたら、「10人の泥棒たち」ではしっかりとワイア・アクションをしていた。
そんな彼女が消え入りそうに薄幸の役だった。可哀想。
そんな薄幸の妻が、本国の司令部から裏切り者の疑いをかけられてしまう。
妻を守ってやらなければ、でも、本国の指令にも従わなければ・・・。
主人公が苦悩する。
そんなときに助けの手をさしのべてくれたのは意外にも・・・。
クォリティの高い本格的なサスペンスものとなっていた。
先日観た「監視者」といい、韓国映画は”怨念どろどろ映画”だけではなく、サスペンスものもあなどれない。
インド製のサスペンスものにつづいて、韓国製のこちらもお勧めできる作品になっていました。