2015年 日本 117分
監督:土井裕泰
出演:有村架純、 伊藤淳史
受験にかける青春。 ★★★
原作はベストセラーとなった「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」。
嘘のような実話ベースの話をどのように映画化した?
結論からいうと、ちょっと説教的すぎる部分はあったものの、非常によくできていた。
中学から大学までエスカレート方式の私立高校2年生、工藤さやか(有村架純)。
まったく勉強をしなかったせいで成績は学年ビリ。
これではいかんだろうと母に勧められて通い始めた学習塾で、熱血講師の坪田(伊藤淳史)と出会う。
調子に乗ったさやかは、なんと慶応大学を目指すことにしてしまう!
常識的に考えれば、小学校4年レベルだった生徒が1年半頑張ったからって、偏差値が40も上がるはずはない。
もし上がるとすれば、その子は元々はものすごく頭がよかったということ。
そして上げるだけの努力をする根性があったということ。
CMでも使われていたが、さやかが聖徳太子のことを、”せいとく・たこ”と言う名前の太った女の子の名前だと思い込んでいたのには、そのセンスに感心した。
この柔軟な発想はそう簡単にはできないなあ。
やはり頭が良いんだ。
有村架純が演じた主人公の人物像が好感の持てるものだった。
”ビリギャル”時代は金髪パーマに厚化粧、耳にはピアス、極端に短いミニスカートでへそ出しルック。
しかし、まったくスレてはいない。
見かけ上のファッションがぶっ飛んでいるだけで、気持ちは純真そのもの。
チョー前向きで、チョー明るい。で、チョー裏もない。真っ直ぐそのもの。
映画では父親との軋轢も描かれていたが、感心したのは母親のああちゃん。
わが子をどこまでも信じてやるのは大事なことなんだ。
私は大学は1浪をしてやっと志望校には入れた経験があるので、受験勉強の苦しさ(と妙な高揚感)はよく判った。
実話を元にしているという触れ込みだから結末はみんな知っている。
しかし、最後まで気持ちよく観ることが出来た。