1960年 アメリカ 128分
監督:ジョン・スタージェス
出演:ユル・ブリンナー、 スティーブ・マックィーン、 チャールズ・ブロンソン
ジェームズ・コバーン、 ロバート・ボーン
黒澤明作品のリメイク版。 ★★★
いわずとしれた黒澤映画「七人の侍」のハリウッド・リメイク版。
筋立てもほとんど同じだが、時代劇を西部劇に置き換えて見せてくれる。
無法者の一団に、貢ぎ物を強要されているメキシコ国境近くの貧しい村。
村人たちは少ない金を出し合って無法者たちをやっつけてくれるガンマンを雇おうとする。
しかし、用意できたお金はほんのわずか。
こんなわずかな礼金で来てくれるガンマンはいるのか?
出演陣はすごい。
志村喬が演じてた官兵衛にあたるクリス役がユル・ブリンナー。
彼の人柄を見込んで協力するヴィンにスティーブ・マックイーン。
その他にも、村の子どもたちにやさしいチャールズ・ブロンソンや、ナイフ投げの名人ジェームズ・コバーン、それに精神的に弱っているのに虚勢を張っているロバート・ボーン、など。
もちろん本作オリジナルの部分も多い。
七人の中には義侠心ではなく金目当ての者もいたのだ(といっても、あまりに単純に金目当てなので、かえって微笑ましいのだが)。
村人の提示した報酬のあまりの安さに、クリスが頼みを引き受けたのには隠された金儲け話があるのだろうと勘ぐる。
彼が死んでいくときのエピソードが、好い。
日本とアメリカの国民性の違いもある。
一番感じたのは、完全に負け戦になってしまった七人のガンマンがそのあとにとった行動。
無法者たちは七人を殺すことも出来たのだが、村から追い払うことですませてくれる。
しかも、取りあげていた拳銃まで返してくれるのだ。
日本人なら、こうした扱いをしてくれた相手には(たとえ一般的な悪人であっても)、恩義みたいなものを感じてしまうわけだ。
しかしアメリカでは、返してもらった拳銃で、また平然と相手を倒しにまた村へ戻るのだ。
ん~、これ、どうよ・・・。
というようなところはあったが、よく出来た西部劇。
日本のたいていの人は「七人の侍」を観ていて、そのうえでこの映画を観るのだろう。
それでも充分に楽しめた。
エルマー・バーンスタインの有名になった主題曲もよいし。
この映画は(当然ながら)大ヒットし、「続・荒野の七人」、「新・荒野の七人」など全4作が作られています。