監督:ロン・ハワード
出演:トム・ハンクス、 ダリル・ハンナ
大人のメルヘン。 ★★☆
童話の「人魚姫」は、女の子でなくてもたいていの人は知っているだろう。
あの物語の人魚姫は声が出せなかった。そして泡になって消えていった。
この映画の人魚は、果たして・・・。
幼い頃に海で溺れかかった少年は人魚に助けられる。
人魚なんて、あれは何かの見間違えだと思って成長した彼・アレン(トム・ハンクス)の元へ、美しい謎の女性(ダリル・ハンナ)があらわれる。
あれ、彼女は言葉を知らないぞ? 彼女は何もの?
もうこれは大人のファンタジー。
ドタバタとしたコメディ・タッチではあるのだが、夢一杯でほんわかとした気分にさせてくれる。
今や世界の大物スターのトム・ハンクスが28歳の時の作品。
彼がまだ若手コメディアンとして活躍していた頃。たしかに若い。
相手役のダリル・ハンナは、あの「ブレードランナー」でレプリカント役の一人だったらしい(よく覚えていない 苦笑)。
この映画では人魚役なので、水中をフィン・スイミングのように華麗に泳いでみせる。
かなりの泳力、それに息を止める肺活量がないとできない。すごい。
さて、マディソンと名前を付けた人魚と暮らし始めたアレン。
マディソンは驚異的に人間の言葉を覚えていく。しかし、人間の常識を知らないので、ときおり頓珍漢なことをする。そこが可愛く愛すべきところ。
マディソンは普通はちゃんと足があって人間の外見をしていられる(ことになっている)。
しかし、水に濡れると、下半身は魚に戻ってしまう。
この設定が後半の活劇部分に生きてくる。
人魚の秘密を暴こうとする学者がいて、アレンとマディソンを追いかけ始める。
マディソン危うし。
そして、アレンにはぐうたらな兄がいる。
どうしようもない兄だと思っていたのだが、実はどうしてどうして。とても好い兄だったことが後半で判ってくる(嬉)。
人間と人魚の純愛、一体どうなるのだろうと思って観ていた。
さあ、どうなると思います?