監督:アヌラーグ・カシュヤブ
出演:ランビール・カブール、 アヌーシュカ・シャルマー
インド版ギャング映画。 ★★☆
子供の頃からスリなどをしてやっと育ってきたバルラージ(ランビール・カブール)は、ギャングのボス、カイザートに見込まれる。
一方、少女のころから歌が上手かったロージー(アヌーシュカ・シャルマ)も、ボンベイでその日暮らしをしていた。
ロージーを見そめたバルラージは、自分が任されたクラブ「ボンベイ・ベルベット」の専属歌手として雇う。
この映画、とにかくアル・カポネの禁酒法時代のギャングを描いたアメリカ映画を再現しようとしている。
クラブのセットも豪華だし、出演者たちの髪型、衣装も、その頃の雰囲気をよくあらわしている。
ロージーがクラブで歌う歌もたっぷり聞くことができる。
(当然ながら、いつものインド映画風の歌ではない。アメリカ映画風の歌である)
当時のボンベイ(今のムンバイ)は、貧しかったインドの中にあって、悪とあぶく金が横行している虚飾の街だったようだ。
クラブ「ボンベイ・ブルベット」に集まる人々は、禁酒法下なのに密輸酒を飲みまくり、西洋風の生活にうつつをぬかしている。
成り上がりのチンピラ・ギャングと、実は陰社会の大物に操られていたクラブの歌姫の恋物語。
二人には越えられない障害もあって・・・・。
雰囲気のある舞台で、話の筋もそれなりに頑張ってはいる。
しかし、いかんせん、これまでのその手のアメリカ映画をインドに置き換えて作りましたという感じが抜けないのは、決定的に残念だった。
この映画と、一つ前の「エアリフト」は、「インディアン・フィルム・フェスティバル2016」で観た。
インド映画の幅広さを知る良い機会だった。