1956年 アメリカ 120分
監督:アルフレッド・ヒッチコック
出演:ジェームズ・スチュワート、 ドリス・デイ
巻き込まれ型サスペンス。 ★★★
ヒッチコック監督のサスペンスものの代表作のひとつと言ってもいいのだろう。
「北北西に進路をとれ」と同じように、普通の一般人である主人公が事件に巻き込まれて行く。
この映画の特徴は、発端がモロッコという異国で起きること、そして家族と一緒に巻き込まれるところ。
モロッコで家族旅行中の医師のジェームズ・スチュアートは、偶然に知り合った男が殺害される場に居合わせる。
そして瀕死の男から某国の首相暗殺の陰謀を知らされてしまう。
知りたくもないことを、知らされてしまったよ。
知りすぎた男になってしまったよ。どうしよう。
スチュアートの口を封じるために、敵は息子を誘拐してしまう。
息子の行方を追って、スチュアートは妻のドリス・デイと一緒にパリへ戻ってくる。
主題歌は、あの「ケ・セラ・セラ」。
ドリス・デイは元歌手という設定で、冒頭では息子と一緒にこの「ケ・セラ・セラ」を歌ったりする(これが次の伏線になっている)。
そしてラスト近くになってデイがこの歌を歌う場面は重要な見せ場となる。
ドリス・デイが気丈な母親として頑張っている。
それにひきかえ、スチュアートの方はどうも冴えない。状況に振り回されてあっちへ行き、こっちへ行き・・・(笑)。
でもまあ、それがこの映画の持ち味。
要人暗殺の緊迫サスペンスなのだが、どこかほんわかとした雰囲気を保っている。
面白かったのは、歌手だったドリス・デイをパリのホテルへ訪ねて来る昔の友人たち。
せっかく来てくれても、息子が誘拐されてしまっていて旧交を温めている暇などない。
ちょっと待っていてね、と言い残してスチュアートもデイもサスペンス現場に出かけてしまう。
そして大騒動があって,事件が無事に解決して・・・。
最後に、やれやれとホテルへ戻ってきたスチュアートとデイが見た室内の様子は・・・。
適度なユーモア感覚も混ぜられていて、さすがの出来になっていました。