2014年 アメリカ 90分
監督:イザベル・コイシュ
出演:パトリシア・クラークソン、 ベン・キングスレー
異文化の中年男女。 ★★☆
ウェンディ(パトリシア・クラークソン)はマンハッタンに暮らす売れっ子書評家。
満ち足りた生活をしていたのだが、仕事に没頭するあまりほったらかしだった夫が恋人を作って家を出て行ってしまう。
えっ、まさか、こんなことになるなんて!
いなくなって初めてわかる夫のありがたみ(笑)。
だいたいがウェンディは車の運転もできない。全部夫がやってくれていたのだ。
これじゃマンハッタンじゃ生活していけないわ・・・。
ということで、偶然乗ったタクシーの運転手ダルワーン(ベン・キングズレー)が運転講師もしていることを知って、彼に運転を習うことにする。
そして、インドからの難民移民であるダルワーンに車の運転を習ううちに、人生についてもいろいろな示唆を受ける、というのがこの映画の骨子。
なにしろ、運転講師はベン・キングズレーだから、見るからに立派な人格者なのだ(笑)。
人生の教訓をいっぱい知っていても何の違和感もない。
しかもダルワーンは敬虔なシク教徒であるから、いかにも悟りにも通じていそうな雰囲気もある(笑)。
面白かったのは、ウェンディが夫の気持ちをもう一度取り戻そうと色仕掛けで迫る場面。
しかし、夫の気持ちはもう完全にウェンディからは離れていた。
あ~あ、ウェンディもちょっとイタイようなことをしてしまったなあ。
一方のダルワーンの方はというと、インドからやってきた女性と結婚してしまう。
しかし、アメリカへ着たばかりの新妻とは、どうも気持ちがすれ違ってしまう。
ダルワーンもそんなに聖人君主じゃなくて、結構自分のわがまま(?)を押しつける人物だったのだ。
(以下、ネタバレ)
そんなウェンディとダルワーンなのだったが、めでたくウェンディが運転免許を手にして、ということで物語は終わっていく。
好いお話なのだけれども、ちょっと平板だった。
まあ、予想できる範囲内の展開、結末で、大きな波乱は起きないのだった。
イザベル・コイシュ監督だったので、もうすこし深味を期待していたのだけれどなあ。