2016年 アメリカ 115分
監督:スコット・デリクソン
出演:カンバーバッチ、 レイチェル・マクアダムス、 キウェテル・イジョフォー、
マッツ・ミケルセン、 ティルダ・スウィントン
マーベルもの新ヒーロー。 ★★☆
この新ヒーロー、ドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)の能力はすごい。
他のマーベル・ヒーロー、たとえば、キャプテンやアイアンマンが闘ったとしてもとうてい歯が立たないだろう。
なにしろ、空間をねじ曲げ、時間すら超越してしまうのだから。
天才外科医師だったストレンジは、交通事故の後遺症でその技量を失ってしまう。
あらゆる医学的手段によっても身体が元へ戻らないことを知ったストレンジは、カトマンズの修行場へ向かう。
そこで彼は常識を越えた超能力者エンシェント・ワン(ティルダ・スウィントン)に巡り会う。
そして、すさまじい修行の末にストレンジは魔術師として生まれ変わる。
もう魔術の世界なので、何でもあり。
彼の分身(?)として意志を持って自在に動く赤いマントもあらわれる。
そんな彼のことだから、敵だってすごい。
同じようにワンの教えを受けた闇の魔術師カエシリウス(ワッツ・ミケルセンミッツ・)だ。
映像はすごい。
空間は文字通り四方から折りたたまれ、盛り上がりる。
これはすごい。「インセプション」を観ていなければ、この映像だけで★4つをつけていただろう。それぐらいの映像技術。
物語の方は、というと、こちらはそれほどのものではなかった。
天才であるが故に倣慢で鼻持ちならないほどに自信過剰だったストレンジが、自分の知らなかった力に魅せられ、謙虚にもなっていくという、まあ、いってみればよくあるパターンの人間描写。
でも、カンバーバッチなので自信過剰もなんとなく許せてしまって、そのあたりの違和感は少ない(苦笑)。
師匠のワンの立ち位置もあまりはっきりしない。
それに、親切そうで、真面目にみえる兄弟子のモルド(キウェテル・イジョフォー)も、どうも怪しい性格のようだ。
彼は続編ではストレンジの敵になりそうな予感がするぞ。
闘いの場面は、これでもかという映像美。
私は2Dでの鑑賞だったのだが、もし3Dだったら酔ってしまうのではないだろうかというほどに、画面は跳ね回り、乱れ流れていた。
この映像を見るだけでも、映画館鑑賞の値打ちはあると思える。
(ついでに言ってしまうと、映像の面を除くと、あとの物語などの魅力には乏しい、ということにもなりそうなのだが・・・汗)
お約束のエンド・クレジットあとの映像で、マイティ・ソウがストレンジに話しかける、地球にも魔術師がいたのか・・・。
そうなのだ、ストレンジはもはや人類の枠を越えて、宇宙人にも匹敵する魔術師になってしまっている(笑)。
すると、これから先、どのような設定だと彼を活躍させられるのだろう?
普通の設定では彼の超能力の魅力が生かしき切れないのではないか、と、それが心配だ。