2015年 フランス 104分
監督:ウニー・ルコント
出演:セリーヌ・サレット、 アンヌ・ブノワ
実の親を探す彷徨い。 ★★☆
養父母のもとで育ったエリザ(セリーヌ・サレット)は、実の母に会いたいとの思いから、8歳の息子を連れてダンケルクにやってくる。
出生地で理学療法士の仕事をしながら、自分が生まれた時のことを調べたりする。
そんな彼女の元へ、息子の学校の女性職員アネットが、背中を痛めて治療にやって来る。
実はアネットには、望まなかった妊娠で産んだ子を養子に出した過去があったのだ。
幸いなことに私は養子に出されることもなく、実の親に育ててもらった。
だから、このウニー・ルコント監督が抱いている実の親への思いは判っていないのだと思う。
しかし、育ての親に不自由なく慈しまれ、夫と子供にも恵まれていて、それらの今の自分を支えてくれている人たちのことを、エリザはどのように考えているのだろうと思ってしまうのだ。
夫にすれば、妻が家庭を二つに分けてまで親捜しに行ってしまう。
子供にすれば、転校までさせられて親捜しに付き合わされている。
ということで、どうしてもヒロインに感情移入できなかった。
そのために評価もそれほど高くはならなかったのだが、これはまったく個人的な思いのせいである。
映画自体は大変に好くできていた。
エリザが繰り返しアネットの身体をマッサージする場面は、次第に二人の心も触れあっていくような感じであった。
果たして、アネットはエリザの実の母親だったのか・・・。
私がこの映画で一番惹かれたのは、音楽だった。
たえず流れる音楽がすばらしかった。
調べてみるとイブラヒム・マーロフという人の作曲で、この人はトランペット奏者でもあるらしい。
早速ネットでサントラ盤をオーダーしてダウンロードした。好いなあ。