2014年 アメリカ 102分
監督:セオドア・メルフィ
出演:ビル・マーレイ、 メリッサ・マッカーシー、 ナオミ・ワッツ
不良爺といじめられっ子。 ★★☆
ビル・マーレイ扮する初老の独身男ヴィンセントは、偏屈で頑固な近所の嫌われ者。
そんなヴィンセントは、小遣い銭ほしさに、隣へ越してきた母子家庭の少年の子守を引きうける。
その少年はみるからにひ弱ないじめられっ子。
どうなる?
子守を引きうけたものの、不良爺のことなので、平気で競馬場へは連れて行くわ、酒場へ連れて行くわ、もう、無茶苦茶。
ま、これも人生勉強だよ、ぐらいのつもりなのだろうか。
挙げ句の果てに、苛めへの反撃方法も伝授する。掌底で顎に向って突き上げるんだっ!
少年の母親にメリッサ・マッカーシー。
相変わらずの肥満体型なのだけれども、いつもの軽妙不真面目居直り開き直り直情猪突猛進ではない役柄だった。
真面目な母親像。仕事もちゃんと放射線科技師という理知的なもの。へえ~。
ヴィンセントの相手を務める少年の魅力がもう一つだったところは残念だった。
少年と老人の交流ものといえば、心温まるあの「ウォルター少年と、夏の休日」があった。
少年役はオスメント君で、さすがの存在感だった。
不良中年(?)のヒュー・グラントが少年と交流するのが「アバウト・ア・ボーイ」だった。
この映画の少年も、ちょっとぽっちゃりの少しウザイ奴で、なかなかに印象的な役柄だった。
この少年は長じると細身になっていたのには驚いた。ニコラス・ホルト君だった。
ナオミ・ワッツがよく判らない人物像なのだが、結構好いアクセントになっていた。
なんといっても、コール・ガールで、妊婦!
お腹が大きいと客が付かないのよ、なんてぼやいていた(笑)。
この手の映画の情動で、世間からは嫌われている頑固爺と少年は次第にウマが合い始める。
そのあたりは観ていてやはり気持ちがなごむ。
ヴィンセントが***になってしまうことには驚いた。
ありゃ、結構深刻な状態ではないかい・・・。
ヴィンセントにはもうすこしハチャメチャをしてほしかった。
ビル・マーレイは好きな俳優なのだが、ちょっととぼけたところが持ち味なので、不良爺にはあまり合わなかった?
この役をジャック・ニコルソンがやっていたらどうだったろうと、ふと考えてしまった。