監督:マーティン・スコセッシ
出演:ロバート・デ・ニーロ、 ニック・ノルティ、 ジェシカ・ラング
刺青男の復讐。 ★★★
じわりじわりと不気味男が迫ってくるという、恐怖サスペンス。
執念にとらわれる復讐男に、ロバート・デ・ニーロ。
全身に恨み辛みの呪いの刺青をしている。怖いよお。
強姦罪で14年の刑を受けていたマックス(ロバート・デ・ニーロ)が出所してくる。
彼は、弁護人ボーデン(ニック・ノルティ)が彼に有利となるはずだった証拠を隠匿したとして、ボーデンへ復讐をしようとしている。
表だって何かをしようというのではなく、ただ不気味にボーデン一家の周りにこれ見よがしに姿を見せるマックス。
こういうのが一番怖いんだよなあ。
次に何をしてくるのか、そのうちに何をし始めるのか、不吉な想像ばかりが膨らんでいく。
やがて飼っていた犬が何者かに毒殺される。
さらに、ボーデンの愛人は言葉巧みにマックスに誘惑され酷い暴力をふるわれる。
そのうえ、マックスはボーデンの娘の学校にまで新任教師のふりをしてあらわれる。
このマックス、レイプ魔であり、非常に暴力的な人間。
その上に非常に頭が良くて狡猾。警察が手を出せないようなことでボーデン一家を追い詰めてくる。
全身の入れ墨も不気味だし、筋トレで鍛え上げた肉体はもう悪魔そのもの。
デ・ニーロとスコセッシ監督はよく組んで、あの「タクシー・ドライバー」をはじめとした傑作をいくつも撮っている。
この映画のデ・ニーロもすごい迫力である。
そんなマックスの存在に脅える真面目人間のボーデンを、ニック・ノルティが好演していた。
私立探偵卯を雇ってみたり、一家で避暑地へ逃げ出したり。
本作は1962年の「恐怖の岬」のリメイクということ。
前作では、不気味な復讐男にロバート・ミッチャム、脅える弁護士がグレゴリー・ペックだった。
その二人をちゃんと脇役で登場させるあたりは、スコセッシ監督の遊び心か。粋だねえ。
(以下、ネタバレ)
さてクライマックスは、荒れた天候の避暑地のボートでの争い。
執拗なマックスの復讐心。
絶体絶命の危機を切り抜けたかと思うと、それでも執拗に襲いかかってくるマックス。
どうなるのだと釘付けになってしまう。
とてもよくできた恐怖サスペンスものでした。
さすがのスコセッシ監督とデ・ニーロのコンビでした。
ニック・ノルティ、ジェシカ・ラング、それに二人の娘役も頑張っていました。