あきりんの映画生活

映画鑑賞だけのブログです。★★★★が満点評価ですが、ときに思い入れ加算があります。約2000本の映画について載せていますので、お目当ての作品を検索で探してください。監督名、主演俳優名でも検索できます。

「ラブ&ピース」 (2015年)

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2015年 日本 117分
監督:園子温
出演:長谷川博巳、 麻生久美子、 西田敏行

ずっこけファンタジー。 ★★★

ロックミュージシャンを目指すも挫折して、今はダメ会社員をしている鈴木良一(長谷川博巳)。
職場ではいじめられる日々に、一匹のミドリガメを飼い始める。
しかし、そのことをみんなにからかわれた良一は、“ピカドン”と名付けたその亀をトイレに流してしまったのだった。

2015年に園監督はこの映画を含めて4本を発表している(「新宿スワン」「リアル鬼ごっこ」「みんなエスパーだよ」)。
1年間に4本ですよ。しかも半年前にも1本、翌年にも2本撮っている。
いくら何でも撮りすぎじゃないの。粗製濫造?

他の3本はすでに観ているのだが、あに図らんや、どれも駄目だった。
園監督のやりたい放題に、もうついて行けません!状態となってしまっていた。
で、この映画も躊躇していたのだが、まあ、観ておくか・・・。

結論から言って、これは単純に面白かった。
トイレに流された亀は排水溝を流れて、奇妙なお爺さん(西田敏行)の住居にたどりつく。
お爺さんは、持ち主に捨てられた玩具やペットを集めて、一緒に暮らしていた。
おお、ファンタジーだ。この不思議なお爺さんは何者? そしてこの玩具やペットをどうするつもりだ?

一方の鈴木良一は、離ればなれになった亀の念力(?)のおかげで自作の歌が大ヒットしてスターになっていく。
漫画のような展開なのだが(実際、漫画といってもいい展開 笑)、面白い。

映画の中で「ラブ&ピース」という歌がくり返し歌われる。
記憶に残るようなサビの部分もあって、なかなかに印象的なのだが、この歌の作詩作曲は園監督自身だった。
そういえば、映画「地獄でなぜ悪い」では「ガガガ歯磨き」という挿入歌が面白かったが、あれも園監督作?

(以下、ネタバレ)

お爺さんが実はサンタクロースだったという種明かしには、感心した。
そうか、サンタクロースは北欧ではなくて、日本の排水溝の奥に住んでいたのか。知らなかったなあ。

ラストはいつもの園監督作品とはやや趣を変えて、ほのぼの系でおさめていた。
うん、これぐらいだったら、充分について行けるぞ。