監督:ヤコブ・アーロン・エステス
出演:トビー・マグワイア、 エリザベス・バンクス
ゲス男の負のスパイラル。 ★★☆
産科医のジェフ(トビー・マグワイア)は、妻のニーリー(エリザベス・バンクス)と子供との幸せな家庭を築いている。
しかし、最近は夫婦生活をニーリーに拒まれ、イライラ(苦笑)。
おまけに、庭の芝生を毎夜のごとくアライグマが嵐に出没する。
ん~、もうイライラするなあ。
この映画、何でもない善良な人物がちょっとしたことからどんどん負のスパイラルに巻き込まれて行くお話。
どこか情けなくて、傍目には滑稽。
こう書くと、まるでコーエン兄弟の映画のようじゃないか、というところだが、あれほどの毒気はない。
いたって真面目で大人しい映画。
ジェフは医大の同期生で、今は家族ぐるみの付き合いをしているレベッカに愚痴をこぼす。
お酒も入った勢いで、おいおい、一線を越えてしまう。ありゃあ。
善良な人の悪事はすぐにばれる(根が正直だから、ね)。
事を知ったレベッカの夫に仕事場へ怒鳴り込まれてしまう。ありゃあ。
ここで登場するのが、独り暮らしの隣人ライラ。
まったく以て厄介な人物で、独りよがり、偏執的、それでいて悪知恵が働く。
なにかと細かいことでクレームをつけてくる。
しかも、どうやらジェフに気があるようで、家に招き入れては(気持ち悪く)それとなく誘ってくる。うへぇ。
このライラに、ジェフは不倫の事実を知られてしまう。うへぇ。
これは、身から出た錆とはいえ、困るよねえ。
レベッカの夫からは、奥さんに潔く不倫を告白するか、慰謝料10万ドルを払うか、どちらか選べ、と迫られる。
ライラには、奥さんに知られては困るわよねえ、と迫られて、(なんと)彼女とも関係を持ってしまう。
おいおい、どうするんだ。
大体がこのジェフという人物、とても小心者。そして本質は善人。
移植以外に命が助かる方法がない腎臓病の友人に、自分の腎臓をひとつ提供したりもする。
本当は好い奴なんだよなあ。
でも、煮え切らない。ずるずると優柔不断の選択をしている内に、事態はますます身動きのとれない状況に・・・。
ああ、情けない。
トビー・マグワイアがそんなヘタレでゲスで、しかし気の弱い善人を好演しています。
奥さんのエリザベス・バンクスもきれいでした。
この映画の副題は「危険な関係」。でも、そんなサスペンス性はまったくありません。
いってみれば”情けない関係”というところです。