2017年 アメリカ 94分
監督:ルイス。プリエト
出演:ハル・ベリー
幼い息子を思う母の執念。 ★★☆
「チェイサー」という同じタイトルの映画には、思いだすだけでアラン・ドロンのものや韓国映画があった。
これはハル・ベリーが息子を誘拐した車をひたすら追跡する映画。
お話は単純明快。
シングル・マザーのハル・ベリーはウェイトレスをしながら最愛の息子と暮らしていた。
ある日、遊びに行った公園でちょっと目を離したすきに息子が誘拐されてしまった。
息子を連れ去る車を目撃したハルの執念の追跡が始まる。
ハル・ベリー以外は誰も知った俳優は出ていない。
映画の8割は車で追跡をするハルを追っている。
息子と一緒に楽しそうだったハルが、驚愕と悲嘆に暮れながら必死に追跡しているうちに、執念の不屈な強い母になっていく。
ハルのさすがの演技だけを見る映画。
一本調子の物語なので退屈しそうなところだが、いやいやどうして、なかなかのもの。
犯人の車は翠色のムスタングという特徴のある車。
だから高速道路でもハルも見つけやすいし、観ている我々も見つけやすい(笑)。
でも、携帯電話をなくしたので、ハルは誰にも助けを求められないぞ。
それにしても、犯人はどうして私の子供をさらったの?
いつまでも追ってくるハルに苛立った犯人は、途中で車を止め、ハルと対峙する。
ナイフをちらつかせていかにもアブナソウな男と、でっぷりと太った中年女の二人組。
さあ、どうなる?
そのうちに、互いの車を武k付け合うわ、巻き込まれた車のクラッシュ事故は起きるわ、大変なことになっていく。
それでも私は絶対に諦めないわよ。息子を絶対に取り返すわよ。
カーチェイスに気づいた白バイがやっときてくれたと思ったら、えっ!犯人はそんなことをしてしまうの!
(以下、ネタバレ)
最後、犯人の家にまで忍び込んだハル。
ああ、犯人はそういうことだったのか。
しかし、あのヘタレ夫婦がそんな大それたことをしていたとは、ちょっとこじつけ感が強いなあ(苦笑)。
正味90分という長さなので、余計なことは考えずに楽しむことが出来ます。
ハルの最後の捨て台詞は、「狙った子供が悪かったわね。」
う~ん、母親はどこまでも強かった。